45 伝令役_3 ページ3
白雪たち宮廷薬剤師は、
雨が上がったのでロカ園に入ることになった。
「ヒガタ君、A様を呼んできてくれる？」
ガラクが白雪と同じ見習いのヒガタに頼むと
オビが不思議そうな顔をする。
「なんで姫呼ぶんですか？」
「ああ、A様は薬学がお好きなようでね
ロカ園に入るときはいつも呼んでるのよ」
へぇ、とオビは納得したような顔をする。
「ロカ園て？城内？」
「そう…だけど一緒に来ても入れないよ」
忙しそうに動く白雪をオビが引き止める。
ロカの実の香りのせいでぐらぐらに酔うから
中和させる薬がないと入れない、
と白雪が説明すると
オビはじゃあその薬を頂戴、となぜかご機嫌だ。
人が多い方が助かる、と薬室長から許可をもらい
オビも入ることになった。
「でも、Aも来るからね」
「あれ、お嬢さん
俺が嫌われてるの知ってた？」
嫌われてるかどうかは知らないけど、
あんまり相性がよくないってゼンが…と白雪が言うとオビはふっと笑みをこぼす。
「相性ねぇ…」
青空を見上げながら言うオビを不思議そうに
白雪はみた。
＊
ロカ園
『白雪！ごめん遅くなりました
仕事が片付かなくて、やっといま…
彼も入るの？』
白雪のとなりで準備万端の様子のオビをみる。
白雪は苦笑いして頷いた。
「うーわ
ほんとだ甘ったるいね」
オビはロカ園に入るや否や、
その酔ってしまいそうなほどの甘い香りに
面食らった顔をする。
Aも薬をもらいマスクをつける。
「実の先端に4本星の模様が入ってるのだけ採って
しぼんでるのは避けてね」
Aはいつもやっているが、
オビは初めてなので説明を受ける。
「了解了解
顔隠れてると落ち着くなー」
オビは鼻歌交じりに
ロカの実を採りはじめた。
ヒガタはその発言にえっなんで！？と驚いていたが
白雪はもはや呆れ顔だった。
「Aは相変わらず楽しそうだね」
『うん、楽しい
ヒガタさん、私やっぱり薬剤師になろうかな』
「A王女は政務で忙しいんじゃないんですか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 321人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Spring greens(プロフ) - 寧子さん» 本当にすみません(･_･;でもそんなにしっかり読んでいただけるなんて感激です！ありがとうございます！ (2016年2月19日 18時) (
レス) id: ab27827dfa (このIDを非表示/違反報告)
寧子(プロフ) - Spring greensさん» なるほどです！理解しました最後まで読んだので見落としていたら嫌だったのでまた読み替えていましたww丁度この2を見てますw (2016年2月18日 22時) (レス) id: 2c750c2fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Spring greens(プロフ) - 寧子さん» すみません、説明不足でした！まだ書いていません！これからの予定です。anotherstoryの5以降、ということになります。 (2016年2月18日 22時) (レス) id: ab27827dfa (このIDを非表示/違反報告)
寧子(プロフ) - Spring greensさん» それはもう書いてるということですか？！これからですか？すみません理解力なくて読んでる時私が見落としたりしてるのかな汗それならスミマセン(_ _)でも私この作品大好きです！！！ (2016年2月18日 22時) (レス) id: 2c750c2fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Spring greens(プロフ) - 寧子さん» なかなか鋭いですね！笑 いま、このシリーズも長いこと5までやらせていただいておりますが もう少し先で明らかになるかもしれません笑 実はもともと決めていた設定があります！ (2016年2月18日 6時) (レス) id: ab27827dfa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Spring greens | 作成日時：2015年11月16日 16時
