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60 白雪のこたえ_2 ページ20

『敷地内の森?
訓練とかで使ってなければ自由に入って構わないよ』


「何?行くのかい?」


白雪は
時間があいたから、と答える。
気持ちの整理にでも行くのだろう。


「じゃ送りますよ」
「へ じゃ、じゃあAも、来てもらえるかな」

『え、私?』



なるほど、白雪は自分が森に入れば
オビとAがその間2人になると考えたのだろう。


そう うまくいくとは思えなかったが
後をついていくことにした。







森へ行く道の途中
白雪は、何かを考え込むように無言をつらぬいていた。




「白雪!A!オビ!」







後ろからかかった声に白雪の体は
びくんとはねる。








「あ あれっ主たちお早いお帰りで!」




ゼンは予定通りだ、とこたえた後
話している途中で白雪の異変に気付き
白雪の名を呼ぶ。



白雪は返事をせず
オビの後ろに隠れているような体勢をとっている。








気まずい空気の中
オビが勢いよく両手を広げた。




「よし お嬢さん 逃げろ‼」





「えっ」
白雪は何が何だかわからないといった様子だ。

…というよりその場にいた全員オビの意図がわからない。






「いいから早く!走れ‼」




オビの大きな声に押され慌てて走り出す。

白雪は振り返らず
森まで走って行った。





「ははは、逃げちゃいましたね!」
オビがあっけらかんと笑う。




ゼンはお前が言ったんだろ?!と噛みつきそうな口調でつっこんだが
オビの瞳の色が変わったので口をつぐんだ。







「俺が?やだな
あんたがそうさせたんでしょ 主」


ゼンは目をみひらく。



ゆっくり馬から降りると
こちらに背を向けた。







「A、ミツヒデ、木々、オビ
___行ってくる

城で待て」



「はい 殿下」
木々とミツヒデが口をそろえて返事する。



オビはそんなことを言われた経験がないのだろう。
言葉もなくゼンの後ろ姿に目をやる。








『はい、ゼン兄様』


つづいてAが返事をすると
Aの声が届いたのか
ゼンは片手を上げるとその手をぎゅっと握りしめ走って行った。





その後ろ姿をAは目に灼きつけた。

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Spring greens(プロフ) - 寧子さん» 本当にすみません(・_・;でもそんなにしっかり読んでいただけるなんて感激です!ありがとうございます! (2016年2月19日 18時) (レス) id: ab27827dfa (このIDを非表示/違反報告)
寧子(プロフ) - Spring greensさん» なるほどです!理解しました最後まで読んだので見落としていたら嫌だったのでまた読み替えていましたww丁度この2を見てますw (2016年2月18日 22時) (レス) id: 2c750c2fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Spring greens(プロフ) - 寧子さん» すみません、説明不足でした!まだ書いていません!これからの予定です。anotherstoryの5以降、ということになります。 (2016年2月18日 22時) (レス) id: ab27827dfa (このIDを非表示/違反報告)
寧子(プロフ) - Spring greensさん» それはもう書いてるということですか?!これからですか?すみません理解力なくて読んでる時私が見落としたりしてるのかな汗それならスミマセン(_ _)でも私この作品大好きです!!! (2016年2月18日 22時) (レス) id: 2c750c2fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Spring greens(プロフ) - 寧子さん» なかなか鋭いですね!笑 いま、このシリーズも長いこと5までやらせていただいておりますが もう少し先で明らかになるかもしれません笑 実はもともと決めていた設定があります! (2016年2月18日 6時) (レス) id: ab27827dfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Spring greens | 作成日時:2015年11月16日 16時

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