元柱だった隊員・2【不死川実弥】

92話 ページ42

夜明けが近い。

そんな時、鬼舞辻も力を込めて、実弥と伊黒、Aを吹き飛ばした。


『炭治郎くん踏ん張って！！』


Aは地面に叩きつけられながら炭治郎に叫ぶ。

炭治郎は言われた通り刀を握り続けるが、片腕だけの力では足りなかった。

そんな時、冨岡が共に刀を握る。

すると、鬼舞辻に少しでも打撃を与えていた。


『っ！』


Aは眩しさの余り、顔を逸らすと、また鬼舞辻の形態が変わった。


『っ、なんだよ、それっ！』


Aは刀を握って走り出した。


『雷の呼吸、参ノ型、聚蚊成雷！！』


Aの一撃で、左足を落とせた。

それから続けて隠たちがあれこれ鬼舞辻を逃がさないように動いてくれた。

貨物車で押そうとすると、鬼舞辻が隠たちを潰そうと手を挙げた。


「風の呼吸、玖ノ型、韋駄天台風！！」


すんの所で実弥が両腕を斬り落とした。

だが、着地ができず、地面に勢いよく落下した実弥。それでも彼は叫ぶ。


「しぶてェんだよ糞がァアア！
さっさと塵になりやがれェ！！」


それでも鬼舞辻は抗う。

今度は乗っかろうとする。しかし、悲鳴嶼が日輪刀の鎖で押さえようと尽力を尽くす。


「オオオオオ！！！」


悲鳴嶼の雄叫びが響く。

悲鳴嶼や隠たちの力で、どうにか鬼舞辻を仰向けにできた。

その時、太陽の光が鬼舞辻を焼こうとする。

それでも寝返りを打って、今度は地面に潜ろうとした。


「地面に潜ろうとしてる！攻撃して無惨の体力を削れーっ！」


その叫び声に、Aも痛む体を起こす。


「水の呼吸、拾ノ型、生々流転！！」

「風の呼吸、伍ノ型、木枯らし颪！！」


冨岡の攻撃に実弥が重ねる。

続けて、


「蛇の呼吸、肆ノ型、系蛇双生！！」


伊黒が鬼舞辻に攻撃する。

それでもまだ動く鬼舞辻。


『雷の呼吸、陸ノ型、電轟雷轟！！』


伊黒の攻撃に重ねるように、Aも斬撃を繰り出す。

全員が倒れ込んだ中、等々、悲鳴嶼の日輪刀の鎖もちぎれた。

駄目だ、そう思った瞬間、鬼舞辻は吐血して悶えるように起き上がった。


『一体、なにが……』


Aが体を起こそうとすると、鬼舞辻が灰になって散っていった。


『ぁ……』


鬼舞辻を、倒した。

隠や生き残った隊員たちの声が響く中、Aも涙を流して、地面に倒れ込んだ。


『みんな、やったよ……』


Aはふぅ、と息を吐くと立ち上がった。

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