96話 ページ46
Aは目を覚ました。
『ここ……』
「Aっ！！」
その瞬間、視界いっぱいに実弥が現れた。
『実弥？』
「お前、また死にかけたんだぞ！」
『え、』
Aが困惑していると、隣には冨岡も居たようで。
「あれから一週間経った。
だが、石黒も首から肩にかけての傷の内臓の損傷が激しかったんだ」
『それ、もしかしなくても心臓』
「お前は何回心臓破裂させれば気が済むんだ」
『うっわ、ご最も……』
Aは包帯に手を当てた。
『二人も、怪我は？』
「まだ安静だが」
『うん、寝台で大人しくしててよ』
Aが苦笑を浮かべた。
だが、それよりもこの二人は相性が悪かったはずだが、仲良くやれたのだろうか。
『いつから二人仲良くなったの？』
「あ？」
「あ…」
『え、何……』
忘れてたかのような反応を見せる実弥と、しょぼんとなる冨岡。
Aは色々困惑しながらも、察した。
「お前が起きるまで、こいつの事忘れてた」
『それは思ってても言葉にしちゃダメだから！
それ言っちゃダメなやつ！』
「……」
『ほら見なよ！この落ち込んだ顔！』
今まで表情死んでんのかと思っていた彼は、何かと雰囲気で伝わる。
それをAはこの数年で知ることが出来た。
『実弥、今までの冨岡くんの行動は、実弥や伊黒くんと仲良くなりたかっただけだよ』
「はぁ！？あれが！？」
『話すのは苦手みたいだから、必死に行動で表してただけよ』
「い、言うな……」
照れてる様子の冨岡。
Aは微笑んだ。
『もう、ただの友人になれると思うよ、二人は。
なんなら親友になれるかもね。実弥は面倒見良いし』
「オイ」
『冨岡くん、上に兄弟いたでしょ？
そんな風に甘えてみなよ、世話焼いてくれるかもよ』
「オイ」
『そしたら、冨岡くんも少しづつ話せるようになるよ』
「……厶」
「俺はコイツの兄貴じゃねぇんだが？」
「困ってる子供と同じだよ」
Aは二人から天井に目を向けて、溢れそうな涙を堪えた。
『みんなの分も、たくさん色んな人と話して、この平和な世界を満喫してから逝こうよ。
歳だって同じだし、死ぬ時期もこのままいけば変わらないんだしさ』
Aの言葉に、二人はハッとした。
そんな二人にAは笑う。
『たま〜に会って、近況話して、たくさん三人で違う世界見ようよ。
性格も違う私たちだから、色んな見方があるよ、きっと』
その言葉に、二人は黙り込んだが、Aは笑っていた。
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やぁと(プロフ) - 柚葉さん» コメントありがとうございます！優しい彼を描けて良かったです。ラストはすごく悩んでできたシーンなので、涙を流していただき感無量でございます。ここまで長々とお付き合い頂きありがとうございました！またの機会がございましたらよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月25日 20時) (
レス) @page49 id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 完結おめでとうございます！実弥さん推しの私ですが、こんな実弥さん大好きです！ラストは涙流しながら読みました。 (2021年11月25日 19時) (レス) @page50 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
やぁと(プロフ) - 金平糖さん» 再びコメントありがとうございます！どうにか無事に完結を迎えられました！感動的なラストを金平糖様にお届けできて幸いです。長々とお付き合い頂きありがとうございました！またの機会がございましたら、その時もどうぞよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月25日 17時) (レス) @page50 id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 完結おめでとうございます。最後の最後でどばーーーっと涙が… 本当に、完結おめでとうございます！ (2021年11月25日 17時) (レス) @page50 id: 63ca64d519 (このIDを非表示/違反報告)
やぁと(プロフ) - 実弥＆左馬刻＆勝己LOVEさん» 原作とはかなり性格違ってるのでは？と申し訳ないと思いながら書いてるのですが、喜んでいただけて幸いです。これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2021年11月14日 23時) (レス) id: a03889f26b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やぁと | 作成日時：2021年10月27日 17時
