10話 ページ10
Aside
不死川くんが尊かった。いや、不死川家が尊かった。
なんか、もう、下の子たちの頬っぺにちゅーしてた。
えっ、可愛くない?可愛すぎん?えっ、尊い、無理。
「どうした?」
『んーん、なんでもない』
「明らかに何かあるんだよなぁ」
私が胸をおさえて顔を逸らしてると、不死川くんはニヤニヤしてた。
「惚れたか?」
『ひゃう!!!』
いつの間にか耳元で話し出した彼に、私は変な声が出た。
推しの、推しの声が、尊い。
えっ、私の死因尊死です。
『ほんと、ほんと、もう!
今、そういう、意識するような行動やめてよ、私の心臓持たない、カッコよすぎでしょ、好き』
「好きっつったか、今」
『アッッッ』
ここは推しの目の前でした。
詰みましたね、私。
「好きなんか、俺の事」
『そういう、いじり、やめて。
なんか、もう、なにしてても顔良いんだから』
だがオタクは開き直る生き物だ。
結果、こうなるわけで。
「ははは、開き直った」
普通さ、一対一で居る男女で相手が好きって言ったら、そんな笑えるものなの。
なんて思ってると、彼は歩き出した。
「とりあえずこの話は後な。
今度はお前ん家行こうぜ」
『はい、はいっ』
笑顔振りまかないでください、尊いです。
私の心はあなたの笑顔で死にますよ。
とてつもなく素敵なんですから。
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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月1日 23時