48話 ページ48
Aside
プロポーズされてすぐ、実弥の両親に挨拶をして籍を入れた。
ウチの親は大学卒業と同時に絶縁したので論外。
それで次の出勤日に、理事長に二人揃って挨拶すると親のように喜んでもらえた。
そして、理事長はこう言った。
「二人の結婚を、ぜひ皆にも伝えてくれ」
二人して恥ずかしがったが、その日に予定していた職員会議。
「はい、それじゃ係から連絡事項があるから」
話の内容をメモに書き留めた。
そこで、会議が終盤になった時。
「皆、あと少し時間貰えるかな。
実弥」
実弥の名前が呼ばれた。
そこで私も緊張する。
「えー、個人的な話ではありますが、不死川実弥は先日、中学の頃から付き合っていた白濱Aと入籍しましたことを報告します」
その瞬間、職員室内が盛り上がった。
「おぉーー!!」
「おめでとう!」
「めでたい!!」
「よもや!!」
この事を知ってた職員は、宇髄だけで。
他の人たちは誰にも知らせてなかっただけあって、歓喜ムードだった。
そこで理事長から私も呼ばれた。
「A」
『えー、皆さん、白濱改め不死川です。
ただ公私混同にしない為に、これからも変わらず旧姓で構いません。お互いそのつもりです。
それから、もう一つ、私から報告させてください』
私は逸る心臓を堪えてゆっくりと口を開いた。
『私の中に、彼との新たな命が誕生しました』
その一言に全員静まり返った。
『今日午後から出勤にあたり、午前で産婦人科に受診した際、四週と五日目でした。
これからキツイ時期に入るにあたり、皆さんに沢山支えていただくと思います。
良ければ、お力を貸してください。
未熟者同士ではありますが、どうか、よろしくお願いします』
「よろしくお願いします」
私が頭を下げると、実弥も一緒に頭を下げた。
妊娠したことは実弥には言ってなかった。
驚かさたとは思うけど、それでも彼が喜んでるのは分かった。
嬉しそうに、涙をこらえる彼がそこに居たから。
私たちが頭をあげると、隣で話を聞いてた宇髄が優しく笑ってくれてた。
「良かったなA」
『うん…』
いつも助けてくれた親友で家族みたいな天元。
感謝の言葉だけでは足りない。
だから、めいいっぱいの幸せでお返ししようも思う。
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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月1日 23時