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32話 ページ32

Aside


実弥と私が弟妹たちと遊んでいる間に、お母さんが全員分のご飯を作ってくれてた。

キッチンで呼ばれて私たちは子供たちを連れてった。


『準備までありがとうございます』

「良いのよ!全然!
こっちこそ子供たち見てくれてありがとうね!」


何から何までやってもらった挙句、その優しい表情にむず痒い。

野菜炒めに酢の物と、あさりのお味噌汁に白米。


『おいしそう……』

「質素なものでごめんね」

『いえ、全然。
とてもおいしそうです』


実弥の隣に座って、隣に弟妹たちが座ってって形で、全員が座ると、手を合わせた。


「いただきます!」

「いただきます!」

「いただきます」

『い、いただきます……』


お母さんたちから始まって、挨拶をすると、子供たちは早速オカズに手を伸ばす。

私はお味噌汁にお箸をつけて、少し飲んでみた。


『……おいしい…』

「本当?お口にあったようで良かったわ」


美味しくて、お箸が止まらなかった。

野菜炒めも、酢の物も、とても美味しくて。


『…………』

「A……」


涙が出た。


「あらあら、どうしたの、大変」

『す、すみません、本当、大丈夫です』


実弥は食事の手を止めて、私の背中を摩ってくれて。

玄弥くんはティッシュを私の前に置いてくれて。

お母さんも心配そうに私を見てた。


「どうしたの?美味しくなかった?」

『いえ、いいえ……違うんです、本当に。
ご飯が、美味しくて、それで、あの、温かくて……』


私は感極まって、言葉が出なかった。

それでも、本当に胸が温かい。


「はい、ねえちゃん、これ……」

『っ、っ、ありがとう』


玄弥くんが渡してくれたティッシュを受け取って、涙を拭いた。

他の子達も心配してくれてる。


『ごめんなさい、ご飯の手を止めちゃって。
私は大丈夫なんで……』

「そう?」

『……はい、もう大丈夫です。
すみません、みっともなく泣いちゃって』

「大丈夫か」


実弥がこっそり聞いてきた。

私は頷く。


『うん、ごめんね。
本当に美味しかっただけだから』

「それならええんけど……」

『ご心配おかけしました。
皆もごめんね、ご飯食べよ』


私がそう言うと、それぞれ何事も無かったようにご飯を食べだした。

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月1日 23時

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