推しが尊い【鬼滅の刃】 (ページ18)

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18話ページ18

Aside

翌日、普通に登校すると、案の定笑い声が聞こえる。

うん、今日も話のネタは尽きないようですね！

「やっぱりお父さんが浮気してたから、あの子も浮気するのかな」

「えっ、蛙の子は蛙ってやつ！？」

「初めて見たそんなの」

うん、お前ら声聞こえてっぞ。

聞こえるように言ってるんだろうけどさ。

私は笑いながら、その輪の中に入った。

『ねぇあんたらさぁ、』

「な、に」

『もしかしてだけど、そんな陰口を言うこと、マトモなお父さんお母さんから教えてもらったのかなぁ』

「え……」

『教えてもらわなかったぁ？
人がされて嫌なことはするなって』

「っ」

『あっ、そっか！
人の知られたくないことを誰彼構わず言いふらす子の親がマトモなわけないもんね〜。
教えてくれるわけないっか〜！
ウチの子はそんな子じゃありません！なんて豪語するんだもんね〜。
何なら、親がそうしてるのを見て育ってんだもんね〜！』

と、相手を笑った。

その子らは今にも泣きそうな顔している。

『今の、あんたがやったことと同じだよ。
どう？辛い？胸が痛い？泣きたい？』

「っ、もう、やだ、ごめん、やらない、やらないから！」

『あっはっはっはっ！あんたらがやってんのはいじめと同じなの。
あんたらの言葉一つで人間一人の心に物凄く鋭い包丁が刺さってるわけよ〜。
ねぇ、あんた、今の心どんな？私のこの言葉すごく痛いでしょ？
だって大好きな家族の文句言われてんだもんね〜？』

「っ」

『泣いて許されると思うなよ加害者が。
あんたがやったのは二度と消えない罪だよ』

そこで私は泣いている子に肩を組んで、この輪にいる人に言う。

『自分にされる覚悟が無いなら、相手にやるんじゃないよ』

全員にそう言うと、私は笑った。

『じゃ〜ね〜！お邪魔しました！』

それだけ言って席に戻って、荷物を片付けると宇髄の隣に向かった。

「おい、この空気の中俺んとこに来んなって」

『えー、だって私我慢したっしょ』

「うん、我慢はしたと思うけど」

『私はあの子の秘密バラしてないも〜ん』

「俺の親友がこんなに怖かったなんて思わなかったわ〜」

『よっ、同類』

「俺は違うから！
ド派手な神だから！」

『うわっ』

「それはそれで寂しいじゃねぇか」

やっぱり知りもしない他人より、

気心知れた宇髄との方が落ち着く。

推しを除くとして。