14話 ページ14
Aside
休み時間、グラウンドでサッカーをしている推し。
運動神経がいい事は体育の時間を通して知っている。
とてもカッコ良い。
『はぁぁぁぁ』
親友の宇髄は裏庭でバスケ、伊黒くんは図書委員の関係で図書室へ行き、胡蝶さんも保健委員の関係でここには居ない。
そう、なうぼっち。
ベランダからグラウンドを見ているけど、やっぱり目立つんよ、白髪。
綺麗だよね。
うん？宇髄も白髪ですね。
目立つなおい。私この内刺されんじゃないかなぁ、女子に。
なんて思ってると、あの、と声をかけられた。
『はい？』
いや、誰やねん。
「あの、ちょっと、話したいことがあって」
そういうのは、カッコイイ顔立ちの男子。
勿論あの三人には敵わないが、普通に見ればクラスでトップだと思う。
「ちょっと、来てくれないかな」
『……はぁ』
私は断る理由を伝えたいが、その心を押し殺して彼の後をついて行った。
ねぇ宇髄、君が居てくれれば私は推しを眺めることができたんだ、どうしてくれる。
嘘ですごめんなさい。
そう言われ、連れてこられたのは専科で使われるフロア。
そこは休み時間になると、人が居なくなる。何故って？みんなここが嫌いだからだよ。
私も嫌い。
はい、ふざけ過ぎました。
「あ、あの、白濱さん」
『はい？』
「良かったら、俺と付き合ってくれませんか」
え、告白？まさかでしょ、お前誰だよ。
クラスメイト、なのかしら？
えっ、ごめんなさい、推しと親友とその友人を愛でるのに必死で眼中に無いばかりに！
『え、あ。えと、その……』
「白濱さんが宇髄と付き合ってるのは知ってます」
んんんんんんん！？
なんて！？
「二番でも、三番でも良いです！」
あらぬ誤解が。
私と宇髄は付き合っていない。断じて。
親友以上恋愛未満と言うやつだ、分かるか？
だがこの場合付き合っていないと言うとややこしくなる。
『……ごめんなさい、私は、心に決めた人がいるので、あなたとはお付き合いできません』
もし付き合うなら推しにしてくれ。あっ、ダメだ私が死ぬ。
だが知りもしない人に付き合えと言われても無理だ。
「……それって、宇髄？」
『え、あの、』
「いつも宇髄と居るもんね」
『えぇと……』
「俺の告白振ったこと、後悔しなよ？
後で地べたにそのデコつけて謝ったら許してやるよ」
とてつもなく話がややこしくなった。
はい、めんどくさい学校生活が始まります。
お疲れ様でしたぁ！！
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作者名：やぁと | 作成日時：2021年10月1日 23時
