12話 ページ12
Aside
照れ隠し。
そう言われて私は顔赤くなりながらもケーキ屋の前まで走った。
「あっおい！」
彼ももちろんついてきてくれて。
『ほ、ほら！早く中入ろう！』
私は彼の手を引いて中に入ると。
そこには沢山のケーキと飴細工があった。
『すごい……』
「ここ、綺麗だよな。
一度お前に見せてみたかったんだ」
『私に……？』
そう言って彼は頷いた。
私がショーケースの中身を見ている間に、彼は注文を済ませたらしく。
『……行こっか』
「もういいのか？」
『うん』
首を傾げてる推し、物凄く尊いです。
中学一年生にしてこの色気、叫びそう。
と、思いながらケーキ屋から出た。
『明日、上手くいくといいね、誕生日』
「ああ、まぁな」
そう言った推しは嬉しそうに笑う。
うん、とても嬉しそう！
私も嬉しい！！
推しの幸せが私の幸せ。
これは全オタクの合言葉。
「まぁた自分の世界入ってやがる」
『ひぇっ、やっぱり顔が無駄にかっこいいんだから無闇に顔を近づけないでもろて』
「白濱〜〜戻ってこ〜い」
なんか、扱いが完全に宇髄に似てきてる。
推しが尊い。
親友には親友の良さがあって、推しには推しの良さがあって。
とてつもなく尊いんですよ。
「あと、ついでにスーパー寄ってもいいか？」
『え、あうん、それはいいけど』
「タイムセールで卵おひとり様百円なんだよ。
ウチ、兄弟多いから良かったらって」
『そんなの全然いいよ、私でよければ貢献しますとも！
行きましょう！！』
「ははっ、サンキュな」
はう。
だから！！
そう簡単に！！
笑顔を！！
振りまくな！！
『やっぱり顔がかっこいい』
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作者名：やぁと | 作成日時：2021年10月1日 23時
