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そこからの横尾さんの動きは早くて。
翌週には本当に、あの秘密基地へ引っ越しを済ませてしまった。
もちろん私も連れて。
「とりあえず、仮住まいだけど。」
彼はどこか別に部屋を探すつもりだったみたいだけど。
私がバイトに行ってる間、彼はのんびり読書をしたり、買ったまま未開封だったＤＶＤを片っ端から見ては家事をこなし、有閑専業主夫のような生活を過ごしていた。
そして司法試験の結果が出るまでの、期間限定の休暇を終えた彼は、
来春から司法修習生となることが決定した。
−２年後−
１年間の司法修習を終えた彼は、春から大きな弁護士事務所で働きはじめた。
私はずっと続けていたバイト先の社員になり、
そして私達はまだ、あの秘密基地で暮らしていた。
たまに職場に遊びに来る北山さんの話によると、横尾さんのいた会社は外資系の傘下に入ったことで急激に伸びているらしく。
私の元いた会社は相変わらずで、美弥さんはまだ独身だとか。
「横尾さん、忙しいんだって？」
この日も職場に遊びに来た北山さんと、そんな話になる。
「休日出勤も多いし、毎晩帰ってくるのがものすごく遅いんだよ。」
ある程度の覚悟はしていたけど、私の予想を上回る忙しさで、今週なんかほとんど会話ができてない状態で。
司法修習生の時は給料が安くて、貯金を切り崩しながらなんとか生活してきたけど、
正式に弁護士になった途端、給料は安定したけど、今度は一緒にいる時間が極端に少なくなってしまった。
「正直、一緒にいる意味あるのかなって、時々思うよ」
こんな話が出来るのは北山さんくらいだから、ついポロリと本音を漏らしてしまった。
「Aってさ、いつも俺に愚痴ってるけど、
そういうこと、ちゃんと横尾さんに伝えたらいいんじゃないの？」
…言えないよ、そんなの。
毎日疲れてるくせに、余程仕事が楽しいのか目をキラキラさせて帰ってくる横尾さんを見てると、
「私って必要ですか？」
なんて空気読まない発言、出来るわけがない。
だからその日の夜も、深夜遅く帰ってきたのに気づいていながら、わざと寝たふりをしていた。
本当はね、話したい事が山ほどあるんだ。
仕事の話や、北山さんのこと、来週末の予定や、冷蔵庫にアイスをいっぱい詰めておいた報告も。
だけど、彼はシャワーを浴びたあと、すぐにベッドに入ってきて、
背を向けている私を、起こさないようにやんわりと抱き締めた。
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鈴木さん(プロフ) - 失礼しました、素敵な作品です。これからも応援してます。 (2020年12月18日 4時) (
レス) id: 3afdd984d0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木さん(プロフ) - 初めまして。とても面白くて内容もスっと入ってきて幸せな気持ちになれました。横尾担ではないのですがとっても素敵なお話しで作者様も、横尾さんご本人までも好きになりました。他の小説も楽しませていただきます。素敵な咲く日ありがとうございます。 (2020年12月18日 4時) (レス) id: 3afdd984d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆかぺんさん» ありがとうございますm(__)m長い時間かかりましたけど、お付き合いいただいてありがとうございました！またAB型も読んでやってください♪ (2018年12月27日 0時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 横尾渉さん» お返事遅くなりまして申し訳ないです(/ω＼)とうとう完結させていただきました。読んでいただいてありがとうございました！ (2018年12月27日 0時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆかぺん(プロフ) - 完結おめでとうございます。ずーっと読ませていただいて、最後はどうなるのかと思いましたが、ハピエンで良かったです。他の作品のkとmも読ませていただいてました。ありがとうございました。 (2018年12月24日 9時) (レス) id: a438011908 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2018年7月8日 3時
