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「今夜は、泊まってっていいんだよね?」
「いいよ。」
「意味わかってる?」
「わかってる…。」
わかってるよ、痛いほど。
だって、全てが終わったらって言ったのは、横尾さんじゃん。
「今日はもう、早くAを食べちゃいたいんだけど。」
それがあまりに横尾さんらしくない言い方だったから、不意打ちでキュンときた。
本当に横尾さんは怖い人だ。
自然に言ってるのか、狙ってるのかはわからないけど、そんな甘ったるい言葉を口にしたあと、また唇を塞ぎにくる。
「とりあえず、お風呂に入ってから。」
唇が離れたあと、そんなことを言ってみる。
別に焦らしてるわけじゃないよ。
だって夜は長いから、もっとゆっくり楽しみたいと思っただけ。
なのに横尾さんは、
「一緒に?」
とか、意地の悪い切り返しをしてくる。
「一緒!?」
私がテンパるのを楽しそうに眺めたあと、
「Aが先に入って。」
そう言って、私に触れるのをやめた。
「Aを先に入れたら、俺が出てくるまで、Aはベッドでドキドキしながら、俺が出てくるのを待つんだろうなって思ったら、なんか可愛いから。
だから先に入って。」
ちょっと待って。
何?その意地悪発言!
横尾さんってそんなキャラだった?
適度にSを出してくるとか、反則じゃない?
横尾さんの思惑通り、お風呂上がりの私はドキドキとそわそわで、じっとなんかしていられなかった。
それを全て見透かしていた横尾さんは、もしかしたらかなりの手練れなのかもしれない。
「シャワーだけ浴びてくる。」
って言ってたくせに、長くない?
そうやって焦らしてんのも、わざと?
「A、着替えないんだけど。」
そう言ってバスルームから出てきた横尾さんは、来た時と同じ服を着て現れた。
ただ少し違うのは、素肌にワイシャツを羽織り、ボタン全開の状態だったことだ。
「ま、いいか。
どうせ脱ぐんだし。」
独り言みたいにそう呟くと、勝手に冷蔵庫を開けてビールを取り出してる。
今夜は私の知らない横尾さんばかりが出てきて戸惑う。
横尾さんって、こんなに大胆だった?
少し前までの私達は、清く正しく真面目なお付き合いをしてたんじゃなかったっけ?
ベッドの端に腰掛けている私の隣に座ってきては、
「緊張してる?」
なんて、可愛らしい笑顔で聞いてくるのは、本当にやめてほしい。
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鈴木さん(プロフ) - 失礼しました、素敵な作品です。これからも応援してます。 (2020年12月18日 4時) (レス) id: 3afdd984d0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木さん(プロフ) - 初めまして。とても面白くて内容もスっと入ってきて幸せな気持ちになれました。横尾担ではないのですがとっても素敵なお話しで作者様も、横尾さんご本人までも好きになりました。他の小説も楽しませていただきます。素敵な咲く日ありがとうございます。 (2020年12月18日 4時) (レス) id: 3afdd984d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆかぺんさん» ありがとうございますm(__)m長い時間かかりましたけど、お付き合いいただいてありがとうございました!またAB型も読んでやってください♪ (2018年12月27日 0時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 横尾渉さん» お返事遅くなりまして申し訳ないです(/ω\)とうとう完結させていただきました。読んでいただいてありがとうございました! (2018年12月27日 0時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆかぺん(プロフ) - 完結おめでとうございます。ずーっと読ませていただいて、最後はどうなるのかと思いましたが、ハピエンで良かったです。他の作品のkとmも読ませていただいてました。ありがとうございました。 (2018年12月24日 9時) (レス) id: a438011908 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2018年7月8日 3時