原色Ａ型男子図鑑→y

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「取引先の社員と親密な交際をしていたということから、情報漏洩があったのだろうと判断されました。」

待って…！

それって、思いっきり濡れ衣だよね？

証拠もないのに何言ってんだ？この人は。

「不当解雇じゃないんですか？それ。」

震える声でそう訴えれば、美弥さんの後ろに控えていた昨日の彼と目が合った。

申し訳なさそうに目をそらした彼は、そのまま顔を上げることはなかった。









その日の夜、北山さんに招集をかける。

誰かに聞いてもらわないと、暴れ出しちゃいそうだったから。

「は？女の子と約束があるんだけど。」

とか言ってた北山さんも、

「私…、解雇になった。」

そう言った途端に、

「…じゃあ、７時にいつもの居酒屋で。」

早口でそう言って、勝手に電話を切った。









「お前、言い返さなかったわけ？」

今日の出来事を話した途端、北山さんは私よりも怒りはじめる。

「言い返したよ、ちゃんと。
不当解雇じゃないんですか？って。」

「なんて言ってた？あいつ。」

「そう思うなら、弁護士でも立てて争いますか？とか言われた…。」

「なめてんだよ、Aのこと。
どうせ裁判起こす勇気もないだろうって。」

私だって裁判でもなんでも起こして戦いたいよ。

だけど横尾さんは今、大革命を起こそうとしているところで、私が騒げばその妨げになってしまいそうで怖いんだ。








「それで？
お前、辞めんの？
言われた通りに。」

「…そうなるよね。
このままだと。」

「裁判起こせば？
高校の時の友達が法律事務所に勤めてるから、聞いてやろうか。」

「裁判起こしても勝てる？私。」

北山さんはしばらく考え込んだあと、まるで八つ当たりみたいなため息をついた。

「情報漏洩の証拠なんか、あいつがいくらでも捏造できるだろうし。
厳しいかもな。
それより、何で横尾さんに相談しないわけ？」

したいよ、出来るもんなら。

何でこんな時に限って、連絡が取れなくなるわけ？

タイミング悪すぎるよ。

一番会いたい時に会えないとか…、まるであの頃に戻ったみたい。

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