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その夜、私は落ち着くことができなかった。
電話のかかってくる午後１０時が来るのが怖くて、心臓は変な感じに早打ちするし、
そのうち手まで震えてきた。
あの秘書の彼が言ったことは、きっと本当なんだと思う。
横尾さんは今日、結納をすませて、式場の下見も済ませたんだろう。
だけど今夜、横尾さんはそれを私に打ち明けてくれるのかな。
横尾さんのことを信じてはいるけど、だけどそれ以上に怖くて仕方ない。
私達を取り巻く環境の恐ろしさは、もう既に身をもって知ってるから。
いつもは１０時きっかりにかかってくるテレビ電話が、何故か今夜はかかってこなかった。
０時を過ぎる頃まで、ずっと起きて待ってたのに。
その代わりに翌日、目が覚めたら横尾さんからメールが届いていた。
それも、全く知らないアドレスから。
『しばらく連絡できなくなった。
全部終わったら迎えに行くから』
そんな短文のメールをずっと眺めていたせいで、会社に遅刻してしまった私は、
内心、動揺していたんだと思う。
また、私の知らないところで何かが動いてるんだって。
でも遅刻しても、私を叱る上司はいないし、冷たい視線を向けてくる同期もいない。
誰もいない倉庫に出勤して、席について深いため息をひとつ。
もし…、もしだよ？
横尾さんが本当に結婚しちゃうとしたら…、私は一体どうしたらいいんだろう。
横尾さんのことだから、私を裏切るなんてことはしないと思う。
だけど…、権力に負けてしまうことはあるかもしれない。
そうなったらもう、私が身を引くしかないのかな。
ぐったりと机に顔を伏せたところで、甲高いノックの音が部屋に響いた。
慌てて顔を上げると、返事もしてないのにドアが開けられて、美弥さんが秘書を数人従えて入ってきた。
美弥さんは、一枚の紙を机の上に置くと、
「あなたを解雇することになりました。
これは解雇予告通知書です。
今週いっぱいで退職してください。」
勝ち誇ったようにそう告げてくる。
解雇予告…？
その書類には、取引先に重要機密を漏らしたことを理由に解雇されるということが書かれていた。
「私、情報漏洩なんてしてませんけど！
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鈴木さん(プロフ) - 失礼しました、素敵な作品です。これからも応援してます。 (2020年12月18日 4時) (
レス) id: 3afdd984d0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木さん(プロフ) - 初めまして。とても面白くて内容もスっと入ってきて幸せな気持ちになれました。横尾担ではないのですがとっても素敵なお話しで作者様も、横尾さんご本人までも好きになりました。他の小説も楽しませていただきます。素敵な咲く日ありがとうございます。 (2020年12月18日 4時) (レス) id: 3afdd984d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆかぺんさん» ありがとうございますm(__)m長い時間かかりましたけど、お付き合いいただいてありがとうございました！またAB型も読んでやってください♪ (2018年12月27日 0時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 横尾渉さん» お返事遅くなりまして申し訳ないです(/ω＼)とうとう完結させていただきました。読んでいただいてありがとうございました！ (2018年12月27日 0時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆかぺん(プロフ) - 完結おめでとうございます。ずーっと読ませていただいて、最後はどうなるのかと思いましたが、ハピエンで良かったです。他の作品のkとmも読ませていただいてました。ありがとうございました。 (2018年12月24日 9時) (レス) id: a438011908 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2018年7月8日 3時
