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あのね、最近の横尾さんは本当にいい感じだと思うんだ。
昔の近寄り難い横尾さんも好きだったけど。
最近の横尾さんは人間らしくて、もっと好き。
繋いだ手をぎゅっと握ると、無言で握り返してくるところだとか。
こうしていると、甘ったるい桃色の気体が体中に充満するような、そんな気分になって目がチカチカしてくる。
この時間が止まってしまえばいいのに。
要するに電車がこのまま走り続ければいいんだよ、永遠に。
だけど現実は無情なもので、とうとう乗り換えの駅についてしまった。
せっかく繋いだ手も離されてしまって、私の左手は急に寒くなる。
「お腹空いた？」
新幹線の改札を抜けたところで、横尾さんはお弁当屋さんに立ち寄った。
なんだろう…、この違和感。
横尾さんが駅弁を選んでるとか、庶民すぎてしっくりこない。
「横尾さんって、駅弁とか食べるんだ？」
そう聞いたら、軽く驚いて、
「何で？
そんなに変？」
なんて、真面目な顔で聞き返してくる。
だっていつも横尾さんとの食事は、は高級感漂う店か、豪華な手料理とかだったから。
「食べるけど、普通に。」
「なんか意外。」
「どこが？」
「だって横尾さんって、霞でも食べて生きてんじゃないかって感じだったから。」
「そう？
俺、意外とけっこう食べるけどね。」
うん、知ってる。
それは私も最近気付いたことで、意外に横尾さんはよく食べるんだ。
食欲強いくせに痩せてるって、卑怯じゃない？って思うくらい。
そう言えば、食欲の強いひとはそういう欲の方も強いって、前に北山さんが飲みの席でサラリと言ってたっけ。
そんなことを考えてるうちに、もう横尾さんは海鮮系のお弁当を一つ手に取っていた。
「これ、ここの名物だって。」
「好きなの？海鮮系。」
「てか、名物って言われたら食べたくない？」
これも意外な発見だ！
仕事にしか興味のなさそうな堅物だと思ってたのに、地方の名物をきちんと押さえるとか。
だから私も真似して同じ弁当を取ろうとしたら、
「同じ弁当だと、分け合えないじゃん。」
って、手を掴まれて、大真面目な顔で諭されてしまった。
…ヤバい。
そういうとこだよ。
こんな堅物が、ガチで純粋に彼女とお弁当をシェアしながら食べようと考えてるとか。
このギャップにやられて、お弁当屋さんの中で腰が砕けそうになった。
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鈴木さん(プロフ) - 失礼しました、素敵な作品です。これからも応援してます。 (2020年12月18日 4時) (
レス) id: 3afdd984d0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴木さん(プロフ) - 初めまして。とても面白くて内容もスっと入ってきて幸せな気持ちになれました。横尾担ではないのですがとっても素敵なお話しで作者様も、横尾さんご本人までも好きになりました。他の小説も楽しませていただきます。素敵な咲く日ありがとうございます。 (2020年12月18日 4時) (レス) id: 3afdd984d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆかぺんさん» ありがとうございますm(__)m長い時間かかりましたけど、お付き合いいただいてありがとうございました！またAB型も読んでやってください♪ (2018年12月27日 0時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 横尾渉さん» お返事遅くなりまして申し訳ないです(/ω＼)とうとう完結させていただきました。読んでいただいてありがとうございました！ (2018年12月27日 0時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆかぺん(プロフ) - 完結おめでとうございます。ずーっと読ませていただいて、最後はどうなるのかと思いましたが、ハピエンで良かったです。他の作品のkとmも読ませていただいてました。ありがとうございました。 (2018年12月24日 9時) (レス) id: a438011908 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2018年7月8日 3時
