原色Ａ型男子図鑑→y

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翌朝は贅沢な朝食を楽しんだ後、海岸線をドライブ。

途中で気になった場所に止まっては、買い物をしたり写真を撮ったり。

前に付き合ってた時には、ツーショットなんて言い出せない雰囲気だったのに、今日はいっぱい２人で写真も撮った。

そんな楽しい時間は瞬きくらいの早さで過ぎ去っていき、とうとうこの旅も終わりの時間が来てしまった。

てっきり飛行機でこのまま帰るんだと思ってたのに、横尾さんは今治でレンタカーを返してしまう

「帰りはどうするの？
別々？」

「いや、一緒に帰る。」

横尾さんは涼しい顔をしてそう言ってのける。

「大丈夫？」

「このまま特急で福山まで出て、そのまま新幹線で帰ろうかと思って。」

その答えに、私は思いっきり頬が緩みまくってしまった。

だって、てっきりもうここで別れなきゃいけないのかと思ってたから。

これから特急に乗って、新幹線に乗って、一体何時間かかるんだろう？

でもそれくらいの長時間、一緒にいられるなんて。

これはもう…、ニヤけるしかないじゃん！









夕方前に乗り込んだ特急は、日曜日の夕方ということもあって激混みで、

なんとか取れた指定席に着いたら、一気に疲れが押し寄せてきた。

「A、寝てていいよ。」

横尾さんはそう言ってくれるけど…、寝るなんてもったいなすぎる！

だって今日から１ヵ月近く、横尾さんと一緒にいることはできなくなってしまうのに。

横顔を窺うと、横尾さんも眠そうな顔をして座席にぐったりともたれかかっている。

ここは寝かせてあげた方がいいのはわかってるけど、あと残り数時間の２人の時間を有意義に過ごしたいから。

横尾さんの手を取って、ぎゅっとその指の隙間に指を差し入れるようにして繋いでみた。

驚いて私の顔を見た横尾さんに、微笑みかけて、

「昨日の横尾さん、超可愛かった。」

そう打ち明ければ、横尾さんは目を丸くする。

「俺…、何か言った？」

「覚えてない？」

「いや、覚えてるけど、覚えてないような…。」

黒目がちな目でじっと私を探るように見つめてくる。

…可愛い。

「美味しいものは最後に取っておくタイプだって話とか？」

そう言った途端に、横尾さんは恥ずかしくなったのか、すっと顔を逸らした。

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