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結局、気の進まないパーティーではあったけれど、久しぶりにおしゃれして出掛けてみれば、楽しい気分になったのは確か。
こちらに着いた時に連絡して以来の玲子に、久しぶりに電話をかけた。何だか、そういう気分になっていた。
日本は夜の8時位か。
「もしもし」
「久しぶり」
「今、大丈夫？ 」
「うん、さっき帰ったところ」
彼女とは小学1年からの付き合い。家も近かったので、いつも一緒に遊んでいた。
親同士も親しくなり、私の両親の入院や、葬儀の時も、玲子のご両親には大変助けて頂いた。
「なによ、あんたからかけてきたんだから何か喋んなさいよ」
「…うん。昨日パーティーに行った」
「なんだそれ。パーティー？ うけるわ」
「フィリップの会社の主催で」
「フィリップのって、あんた、辞めた訳じゃないんだから自分の会社じゃん」
「まあね。 昔、あたしが販売店にいた時の先輩に会った」
「…なんか言われたの…？」
「あ、ううん。 大丈夫。ただ懐かしいねって。あたしがドイツにいるのを驚いてた」
知らない人が聞いたら、少し冷たいと思われるような、玲子の話し方が、心地よかった。
私には、彼女が私を心配してくれているのがよく解る。
私達は、何も言わなくてもお互いの気持ちが何となく解る。
同時に電話をかけて、話し中になってしまったり、昼間、彼女の事を考えていたら、夜、突然訪ねてきたり。
今回私がこちらに来ることになったのも、元をたどれば、彼女の驚異的な虫の知らせがあったからだ。
彼女は、誰よりも私の事を知っている。
「なんか、久しぶりにおしゃれしたら、楽しかったの。だから玲に教えたくてさ」
「おしゃれしてパーティーなんて、全然羨ましくないわ(笑)」
「ふふっ。 あ、でも！若くて可愛いイケメンのエスコートだよ？」
「どうせユリアンでしょうが！」
「あはは、でもスーツ似合ってて、ちょっと萌〜って感じだった」
「マジでっ！ 後で写真送って！」
今度の事では、本当に玲子の明るさに助けられた。
感謝している事を伝えようと思ったのに、結局こんなバカなやり取りになる。
「また電話して？」
「玲も」
「やだ、めんどくさい」
「はいはい、じゃまたね」
みんなが私を心配してくれる。
でも、いつまでも、のんびりしてもいられないし、先の事を考えて、決めて、前に進まなければいけない。
いくつかの事は、もう私の中で決まっていたが、まだ迷っている事もある。
3ヶ月なんて、あっという間だ。
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馨子(プロフ) - リオさん» リオ様、ｺﾒﾝﾄありがとうございます。仰る通り、篤人さんは何だか悲恋の匂いがしてしまうのです。時折見せる、物憂げな表情のせいかしらと思います。これからも、楽しんで頂けるよう、更新頑張りますね！f(^^;) (2014年1月15日 7時) (
レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - 初めまして。素敵なお話をありがとうございます、気付けば一気に読んでしまっていました。難しい恋、切ない恋、大人な恋……どうして彼はこんなにも似合うのでしょうね！まだまだ前途は多難な様ですが、これからも楽しみにしております(*^^*) (2014年1月15日 3時) (レス) id: 28f69f1789 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - 星さん» 星様、ｺﾒﾝﾄありがとうございます。ﾋﾟｰｺｰﾄのくだりは私も書きながら少し切なくなりました(笑)。自画自賛ですね…。読んで下さる方の妄想をいかに引き出すか、余り細かく描写しても良くないですし…。続きも楽しんで頂けるよう、頑張りますね。 (2014年1月12日 7時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
星(プロフ) - 初めまして。もしかしたらこんな切ない想いをこんな恋をしているのかも…と妄想しつつ（笑)一気に読んでしまいました。内田くんがヒロインの赤いピーコートの後ろ姿を見て、切なくなる想いにきゅうとなりました…。素敵な大人のお話ですね。続き楽しみにしています。 (2014年1月12日 2時) (レス) id: 59223def46 (このIDを非表示/違反報告)
馨子(プロフ) - 空さん» 空様、ｺﾒﾝﾄありがとうございます。逆風、吹いてますが、見守ってやって下さいませ。これからも楽しんで頂けるよう、頑張ります(*^^*) (2014年1月9日 22時) (レス) id: b44ca2bc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：馨子
| 作成日時：2013年11月30日 1時
