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父親のおかげで大学にも行かせてもらえてる
特にこれといった夢はないけど、お給料の安定した仕事について父親に今までの恩返しをしようと思ってる
一人暮らしはせず、大学へは父親と2人で生活する家から通っている
父「A、一人暮らししたかったらしてもいいんだよ〜?」
「お父さん家のこと出来ないでしょ?」
父「そうだった〜」
優しく穏やかに笑う父は
母親が亡くなったあの日から私のためだけに朝早くから夜まで働いていて。
私、反抗期なんてなかったと思う
ぶつかり合ってる暇なんて無かったから
そんな父親にも幸せになって欲しかった
どんな形でもいい、もし父が私より若い女の人と付き合い始めても、再婚すると言ったとしても父親が選ぶ人ならと。
ほんとにそう思ってる
だから、
父「お父さんさ、再婚考えてるお相手がいるんだ…」
夏の匂いが膨らむ朝、母の死を乗り越えて、でもなんだか少し申し訳なさそうに笑った父親に
「えっ!?おめでとう!!」
私は心からそう思ったんだ
「どんな人?」
父「んー…優しい人かな。向こうにもお子さんがいるんだよ」
「女の子?」
父「男の子。何歳だったかなぁ…Aより年下だったなぁ」
「弟ができるの!?」
父「嫌か?」
「んーん、全然!素直な子だといいなぁって」
父「すごくカッコいい子だったよ。なんだかスマートな立ち振る舞いでさぁ」
「へぇ〜」
まだ見ぬ新しい"母"と"弟"の話を父に聞いて、想像を膨らませた
父は私が20歳の誕生日を迎えた後に籍を入れるという
「私の誕生日まで待ってたら冬になっちゃうよ?いいの?」
父「いいんだよ」
グラスに入った麦茶を飲み干して、ふぅっと息をついた父に
「はい、今日の分!」
お弁当を差し出す
父「いつもありがとね」
「いーえ!いってらっしゃい!」
父「いってきます」
高校生になった時、購買でお昼買うよりお弁当作ったほうが安くあがるからと作りはじめたそれは
大学に上がった今も続けている
父の分と、私の分
私より1時間家を早く出る父を見送って、私も自分の身なりを整えた
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ぬう(プロフ) - おこめさん» 他の方の作品を盗んだ事はございません。ご不快なようでしたら申し訳ございませんが、こちらの作品ページは閉じて下さいませ。 (2022年7月4日 19時) (レス) id: e513f955a5 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 題名の月下美人、同じ題名で臣くんのお話書かれてる方いらっしゃるのですが大丈夫ですか、、、? (2022年7月3日 16時) (レス) id: dc9901e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬう | 作成日時:2022年7月1日 23時