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それから春を迎えて、壱馬の誕生日がきて
桜が咲いて進級して、夏を迎えて秋が来る
当たり前のように時は流れていった
当たり前に流れる時の中で、当たり前とは言えないスピードで成長していく壱馬は
まるで時間と戦っているようだった
背も伸びて、声もまた少し低くなって
"登坂さんみたいになるから"
そう言った壱馬は本当に本気だった
遅くまでやってたレッスンは更に遅くなって、それでも翌朝には学校に行って
壊れてしまうんじゃないかってくらい自分を追い詰めるストイックさは心配になる程だった
そんな壱馬とは反対に、私の時の流れは緩やかで
週に2回程度花音とともにサークルに顔を出して、それから2人でバイトも始めた
駅の近くの若い人がいっぱい集まるカフェ
夜もやっているそこは、元々成瀬さんがバイトしていて
人が足りないからと誘われて断る理由もなく働き始めた
「東条くんの誕生日もうすぐだし稼がなきゃね?」
花音「うん、頑張る」
そう言って笑う花音。
なんだかんだ言ってたのに、東条くんと数ヶ月前に付き合い始めた花音は
ものすんごい幸せそうに毎日を過ごしている
好きな人を思って、働く花音を私は羨ましく思った
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ぬう(プロフ) - おこめさん» 他の方の作品を盗んだ事はございません。ご不快なようでしたら申し訳ございませんが、こちらの作品ページは閉じて下さいませ。 (2022年7月4日 19時) (レス) id: e513f955a5 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 題名の月下美人、同じ題名で臣くんのお話書かれてる方いらっしゃるのですが大丈夫ですか、、、? (2022年7月3日 16時) (レス) id: dc9901e6d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬう | 作成日時:2022年7月1日 23時