月下美人

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そんなふうに悩みを抱えた私の元に、急にやってきた嬉しい知らせ


『っ！！Aっ！！』

「びっくりした…どうしたのそんな大きい声で…」

いつもより早めなバイト終わり
かかって来た電話は、珍しく興奮した様子の壱馬

『俺、俺ね、』

「ん…？」

興奮を抑えるかのようにハァっと大きく息を吸った壱馬は、


『受かった！！俺、俺…オーディション！！受かった！！』

「……えっ！？うそ！？」

『嘘つかない！！』

「本当に！？お、お義母さんには連絡した！？お父さんには！？」

『これからする！どうしても1番最初はAに言いたかった』

「そっか…ありがとう、壱馬おめでとう！」

きっと今、壱馬すごい笑顔なんだろうな

『すっげー嬉しい…ありがとう』

電話口から伝わってくる喜びは、私にもしっかり伝わる
あんなに頑張ってたから、報われてよかったと素直に思う


『んでさ？』

「ん？なに？」

『俺と前にした約束忘れてないよね？』

「…えっと……お願い聞いてってやつ…？」

『うん。そう。今言っていい？』

「え、いいけど…」

『今度さ、丸1日俺とデートして？』

「えっ…？」

『1日でいいからさ、その日だけ全部俺に頂戴』

「わかった…」

『ありがと、じゃあ俺母さんに電話かけるからまたね。』

「うん、お疲れ様」

プツッと切れた電話
5分後に受信したメッセージには

"来週の土曜日、空けてくれる？"だった。

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