怪盗サーカスのお仕事日記 (ページ5)

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翌朝、俺がサーカスの取り潰しと全員の解雇を伝えると、集まった皆は一様に落胆の表情を見せた。

「本当に申し訳ない。俺の力不足で…」
sk「別にふっかのせいじゃないって」
nb「まあ、薄々感じてはいたよね…」
dt「仕方ないのかもしれないね」
mg「そうそう、むしろここまでよく耐えましたよ」

みんな口ではそう言って慰めてくれた。
しかし、長年一緒にやってきた仲なのだ、みんなの気持ちなんて、その顔を見れば一発でわかる。
ある者は悔しさを、またある者は悲しさを滲ませたその顔を、俺は直視出来なかった。

kj「…じゃあ、またどっかで新しくサーカス団始める？」
ab「それは流石に無理でしょ。それが出来るくらいなら、最初から取り潰しなんてしないって」

仲間内で一番の秀才である阿部ちゃんの妙に現実的な正論に、もう同じ道はないのだということを嫌でも察してしまう。

それを聞いて黙りこくるみんな。空気がずんと重くていたたまれない。

「…ごめん。じゃあ、とにかくそういうことだから」

気まずくて、とにかく早くこの場を去ってしまいたくて、俺はそう言って踵を返した。

しかし、俺のその願いは叶わなかった。何故なら、突然誰かがテントを開けて入ってきたからだ。

正面衝突しそうになったのは、見知らぬ顔の少年だった。
おそらく10代後半といったところだろうか。しかし、学生にしてはやけに高級な身なりをしている。

不思議に思っていると、彼は俺たちをぐるりと見回し、開口一番こう言った。

??「怪盗Snowに会わせてください。ここにいるんでしょう？」