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iw side
翌朝のニュースでは、怪盗Snowの活躍とともに、村上航研に強制捜査が入ることも報じられていた。
悪事をはたらいていた幹部たちや、取り込まれていた警察の人間も、じきに何らかの処罰を受けることになるだろう。
日本を揺るがすスキャンダルを暴いたからか、世間の声は思った以上に怪盗Snowに好意的だった。
何なら、本当にヒーローになったような錯覚に陥るくらいには、応援の声も大きかった。
それに俺は正直、昨日の妙な高揚感を忘れることが出来ずにいた。
サーカスが取り潰されることが決まって、このまま行ったらもう二度と味わえないはずだったあの興奮を、また手に入れたいと思ってしまう自分がいた。
その気持ちは、多分皆同じようだった。
でもその前に、俺たちには一つ解決すべき問題が残っていた。
nb「で、これからどうすんだよお前」
mg「ちょっとしょっぴー、そんなきつい言い方しないでよ。俺らが勝手に運んできたんだから」
fk「まああの状況ならそうするしかなかったっしょ」
ru「あの…もう大丈夫ですから。すぐに出て行きますから」
そう、あの夜俺たちは、逃げるついでに傷だらけになったラウールくんをこっそり回収し、一緒にサーカステントに帰ってきていた。
流石に、放っておいたら死んでしまうかもしれない状態の彼を置いていく事は出来なかったのだ。
kj「大丈夫言うたって、まだ歩くのも辛そうやのに」
nb「それに、もうあの会社には居場所ねぇだろ」
ab「っていうか下手したら会社自体無くなっちゃうかもしれないし」
sk「どっか行くあてあるの?」
ru「それは…」
そもそもが愛されなかった子どもなのだ。
それに加え、家族は捕まるわ会社はなくなるわということになれば、このまま彼が戻ったところで幸せに暮らしていけるとは到底思えない。
だったら…
「まあ少なくとも、怪我が治るまではここにいてもらった方がいいんじゃない?」
俺のその言葉に反対する人は、誰一人としていなかった。
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作者名:わかめ | 作成日時:2020年10月2日 3時