怪盗サーカスのお仕事日記 (ページ25)

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ab side

「え、下？まだ下の階があるってこと？」
mg「わかんないけど、多分…？」

目黒から状況を聞いた俺たちは、裏切られた訳ではなかった安堵と、そのまま気を失ったという彼への心配とを抱えつつ、今一度部屋を調べていた。
情報によれば下に何かがあるらしいが、階下に続く道なんて…あれ？

注意深く見ないと分からないが、円がいくつも連なったような柄のタイルが、とある一箇所だけ微妙にずれていることに気づく。
もしやこれは…

一か八かそのタイルに手をかけると、回転しながら沈むようになっていた。
そして、最後にはドスンと音を立てて真下に落ちた。

覗き込むと、そのスペースの奥に札束が積まれているのが見える。三度目の正直ってやつだろうか、ついに、ついに見つけた…！

iw「マジかよ…」

3人で先を争うように穴から飛び降りる。
しかし、どこかにカメラかセンサーでも付いているのか、その瞬間けたたましいブザーの音が鳴り出した。

kj「これまずいんとちゃう？！」
iw「とにかく詰めれるだけ詰めて上がろう！」

うん、そうしよう…って、これどうやって上に戻んだ？夢中で降りたはいいけど、梯子も何にも無しに上がるなんて無理じゃない？！

しかし心配は無用だった。
照が現金の詰まった重い袋を抱えたまま、余裕で飛び上がってさっきの部屋に戻っていったのだ。
なるほど、力がいるって情報も間違ってなかったってことか。
そして、照に引っぱり上げてもらって、俺たち2人も無事に元の部屋へと戻った。

ラストスパート、ダッシュでもと来た道を戻り、倉庫から出る。
見つからないか心配したけれど、ブザーの音で察した目黒が再び鬼ごっこを繰り広げて騒いでくれたおかげで、俺たちは誰の注目も浴びることなく脱出することに成功した。

こうして、全て計画通り…とはいかずトラブルも沢山あったが、俺たちのミッションは無事成功したのだった。