#3 ページ4
「何撮ってるの？？？」
ちょっと低めの声が、いきなり頭上から降ってきた。
『えっ？』
私は慌ててその声の主を見る。
私と頭一個分は優に違う高身長のその男の人。砂耶佳と同じように首からカメラを下げている。
ただ、砂耶佳のよりはずっと高価そうなものだけれど。
ふと思い出したように向かい側の噴水を見ると、誰もいない。
「あ、さっきの人だ。」と勝手に納得した私は、
『あ、あなたは…誰？』
「ん？…ああごめんね、急に話しかけちゃって。俺の名前はマサイ。なんか難しそうな顔してたから、どうしたのかなぁと思ってさ。」
「マサイ…」
マサイって言うのか。砂耶佳は改めて彼を見た。
第一印象は、すごくスタイルがいい笑。
綺麗な手だし、ファッションセンスだって悪くない。…むしろ、私の好みど真ん中。
と、自分の名前を紹介していないことに気づき、
｢あっ、私の名前は砂耶佳。さっきはね、ここのツツジを撮ってたの。けど、お恥ずかしながらまだカメラを始めたばっかで…さ笑、」
するとマサイは、
｢砂耶佳、かぁ。ふふっ、いい名前。｣
『えっ？、あっ。そうか、な？？ふふっ。』
ちょっと。照れるじゃんいきなり。
そして砂耶佳はふと思ったことを彼に聞いてみた。
『ねえねえ、マサイって私と同じようにカメラ初心者？？、』
彼は後ろにあった公園の遊具に背中をもたせ掛け、
「ううん、俺、映像系の専門学校行ってるからカメラとかパソコンとかそういうの、結構得意。笑」
え、プロじゃんよ…
『す、すごい…』
予想もしていなかった返答に、砂耶佳はただぼーっとしていることしか出来なかった。
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作者名：°sakura。 | 作成日時：2018年5月5日 23時
