【Fischer's】ファインダー越しの君と私 (ページ2)

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「…ですから、この市場と経済の仕組みは密接に関連していると考え…」

教授のその声で、びくっと目が覚めた。

『(うわっ…寝ちゃってたよ私…あれ…どこまで進んだっけかな…)』

ノートをペラペラ捲りながら、黒板とノートを交互に見る。
ウトウトしてたせいで、教授の話を聞き逃しちゃった…

『(まあ…今日はそこまで大事な話じゃないし、そんなきっちりノート取らなくていいよね)』

とうとうどこまで進んだかわからなくなった砂耶佳は、もう完全に諦めモード。最近よく眠れていないから、すぐに講義中に眠たくなっちゃう。

はぁ、とひとつ小さくため息をついて、講義室の窓から今日の空を見上げる。

この席の位置は砂耶佳のお気に入りの窓際。いつもここから暇な時は空を見上げてる。

今日も澄み渡ってて綺麗な空。

こういう綺麗な景色とかを見ると、カメラでも出してパチリと1枚撮りたい衝動に駆られる。でも今は講義中。流石にダメだよ、ね笑

すると、段々と辺りが騒がしくなってくる。

砂耶佳が空を見上げている間にいつの間にか講義は終わっていて、帰る準備を始めている人がほとんどだった。

「いけないっ、私もそろそろ片付けないと。」

砂耶佳がノートやらなんやらをカバンにしまっていると、後ろからぽんっ、と肩を叩かれた。

「砂耶佳～！」

『あ、理南だ！』

この子は砂耶佳の数少ない友人の日山理南。砂耶佳は田舎から都会に上京してきたばかりだから、まだまだ友人は少ない。

「ごめんねっ、今日は私友達と帰るから砂耶佳と一緒に帰れないや、、」

『いいのよ！どーせ友達とか言っておいて、彼氏なんでしょ？？』

「あっ、バレちゃったか。」

理南には彼氏がいる。付き合って3年目…だったかな。生まれてこの方1度も誰とも付き合ったことがない私にとっては、どうしたらそんなに長続きするのか教えて欲しいくらい。

『理南の嘘はすぐわかっちゃいます笑
ほら、行かなきゃいけないんじゃないの？』

「全部お見通しってことか！笑うん！じゃあね！バイバイ」

ひらひらと手を振って、彼女は講義室から出ていった。

このあと…どうしようかな。

時間もあるし、あの公園に寄ろうかな。

砂耶佳はカバンを肩にかけ、カメラを出して首から下げ、いつも行く公園へと向かった。