あなたとずっと。2

True start。#2 ページ1

その夜。




マリアは漆黒の夜空に輝く満天の星を見上げながら、船上の乗組員らの賑やかな空気を背にし、船のデッキに肘をついて夜の潮風の香りを楽しんでいた。今日の風はなんだかいつもより心地いい…きっと今日の出来事のせい。




ふと後ろを振り返り、賑やかな船上を見やる。



ギブスが昼間言った通り、今晩は船の甲板の上で、皆で飲めや歌えの大宴会を繰り広げていた。お酒を飲んだり、おしゃべりしたり、踊ったり。勿論ジャックもその輪の中にいる。みんな酔っ払っているせいでかなりふらついているようだ。





そんな彼らの様子を眺めながらまた海に視線を戻したマリアの脳裏に、ある疑問がよぎる。





その時。後ろからゆっくりと誰かが近づく足音が聞こえた。





「そんな所で何してる？こっちに来て僕らと踊らないか？」




『ウィル…。』




ワイングラスを片手にこちらへ静かに歩み寄ってきたウィルは、一人静かにしているマリアを見て不思議にでも思ったのだろう。




「なにか、考え事でもしていたのか？」




彼は側にあった樽に腰掛けると、マリアと同じように夜の海を眺め始めた。




『そんな、大した考え事じゃあないんだけど…』




「ん？なんだ？」

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