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千の夜が瞬く間に ページ4
夜。
ボクはポケーっとしているのだが、キミのことが頭の中から離れてくれない。
あゝ。やっぱりボクはキミに恋をしているや。
桜の前には池がある。
水面に浮かぶ月を求めていて、月が浮かぶ池に手を伸ばす。
されどボクの手がすくうのはガラスの色の様な池の水なだけ。
それ以外は何も残らない。ボクもそうだろう。
今度は夜空を見上げながらふと思ふ。
千の夜が瞬く間に、ボクとキミの間に境を引いていく。
そしてキミを直ぐに隠してゆくのだ。
だからボクが幾ら目一杯手を伸ばしていてもその手はキミには届かない。
もし、キミが此処に来なくなったとしても。
ボクはずっと此処に居るから。
幾ら境を引かれていても構わないから、
どうか。どうか。
『キミに好きって伝えたい。』
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作者名：＠チカ | 作成日時：2019年4月5日 21時
