白線の内側までお下がりください。 (ページ14)

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しげすまん、風邪ひいた。

Aえっ?大丈夫?!

朝、起きると携帯が鳴り
大毅からメッセージが来ていた。

しげ今日休むわ。1人で大丈夫か?

A大丈夫だよ、心配しないで!大毅こそ、無理しないでね?

風邪なんてひいたことない
元気だけが取り柄みたいな大毅が
学校休むって…ちょっと心配。

学校終わったら
お見舞いにでも行ってあげようかな。

大毅がそばにいない朝は
一体、いつぶりだろう…。

いつものように立つ駅のホームも
大毅がいないと
なんだか殺風景に感じる。

「今日は、相方おらんの？」

そんなとき
後ろから肩をポンっと叩かれ
振り返れば
大好きなあの人が優しく微笑んでいた。

『うぇっ？！…あ、えっ？！えっ？！』

あまりに突然の出来事過ぎて
私がパニックになっていると

「淳太くん、この子めっちゃ怯えてるやん。笑」

いつも
あの人の隣で太陽みたいに笑う
少し色黒な彼もいて……

「１人なんやったら、俺らと一緒に行かへん？」

大好きなあの人が
私をこんな風に誘ってくれているのが
本当に夢みたいで
私は２人に見えないように
手の甲をギュッとつまんで確かめてみた。

『……痛っ。』

「ん？どないした？」

『あ、いやっ…なんでもないですっ！』

………夢じゃ…なかった。

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