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「あ、あの、ごめんなさい、つい…!!」
タメ口!!!先輩が抜けてしまった。
待って、弁解させてください、
ほら、あの、必死すぎて、ジミン(先輩)が!
先輩が抜けたの!!
なんてもう頭の中で言い訳してたって伝わるはずがない。
お、怒る?はないよね、失礼だと思われるじゃ…
「…もう1回言って。」
「え?」
「もう1回、ジミンって呼んで。」
「それはさすがに!!」
「いいから。」
な、なんか…
先輩の目が、怖い…。獲物を狙っている肉食動物みたいな、
こんなの従うしかない、怖すぎる。
「じ、ジミン、先輩。」
「先輩いらない。」
嘘でしょ??
「じ、ジミン!」
「もう1回。」
「ジミン!!!」
「可愛い。」
「?!」
そう呟いた先輩は、また唇を寄せた。
ふっくらしたそれは、私の全身を麻痺させる。
ゆっくり離れていった先輩の口からは、温かい息が吹きかがった。
地から離した踵を戻して、先輩と目をあわせる。
それはもう甘くて、頭がくらくらするんだ。
「Aちゃん、好きだよ。」
「っっ、私もです。ずっと、ずっとっ……」
「知ってるよ。」
いつもみたいにふふって笑った先輩は、私を優しく抱いた。
震える自身の手を背中に回して。
私の想いは一直線で、それなのに道はうねってうねってすれ違った。
両思いだなんて夢にも思わなかった。
近づきたいなんて思いもしなかった。
だけど、話せば話すほど、会えば会うほど、
欲は強くなるばかりで。
あの甘い笑顔が向けられる先は私がいい。
Aちゃんって呼ぶ声は、私だけが聞きたい。
貴方とずっと、甘くて熱いこの感情を分かち合いたい。
「先輩、」
「ん?」
「大好きです!」
「僕も。」
この熱が冷めるまでは、浸かっていたい。
先輩の甘さに。
熱がこもった両手を絡ませ、夕日に照らされる私達。
2人ともなく、顔を寄せた。
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作者名:たぁー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TAA00/
作成日時:2023年2月15日 0時