償い ページ33
ジミンside
ジョングガとは話がついた。
まだだ。
まだ僕はAちゃんといれない。
次は…
ジョングガのぶんも会計しファミレスを出たあと、家に向かいながらスマホを取り出す。
開いたのはカトク。
もう随分と連絡してないから相手とのトークは下に埋もれて探すのが大変。
ほら、僕友達多いから。
あ、女の子はもう少ないよ。
ただ、、、
ジミン久しぶり。話すことがあるんだ。明日空いてる?
ただ、例外がいるだけ。
...
現在11:28
彼女が指定したお店。
《いつものお店で、11時半。》
彼女は、
カランカラン
「いらっしゃいませー」
「時間ぴったり。遅いよオッパ」
「ごめんね、ドア。準備に時間かかっちゃったんだよ。」
雄一、僕が付き合った子。
…いわば、元カノ。
「でも、やっぱりおかしい。前は私より早く来てた。」
「昔と前は違うでしょ。」
僕が反論すると、ドアはまた眉毛を顰め、面をしかめる。
その反応にも無理はない。
昔の僕は反論なんてしなかったんだから。
『うん、そうだね』
『ふふ、ごめんね?』
ずっと女の子の顔色伺って、全部肯定する。
そうすれば皆勘違いするから。
この人は私を分かってくれるって。
「昔のオッパは、‟今と昔”なんてなかったよ。ずっとずっと変わんなかった。」
「…。」
「…ねえオッパ、誰がそんな風に変えちゃったの?」
そう僕に問いかける瞳は、どす黒く、ぎらついている。
だから嫌だったんだ。
その圧がある瞳は、僕を逃がさないとでも言っているかのようで。
初めて女の子を苦手だと思った。
その目に、惑わされるから。
「今日は、その話をしに来たんだよ。」
思えば君は、Aちゃんと正反対だ。
性格も、見た目も、…その瞳も。
「やだなあオッパ。何、運命の相手見つけっちゃった?
そんなにオッパを変えちゃうくらい、イイ女なの?」
「僕は運命なんて信じてないよ。ただ…そう思っちゃうくらいの相手に出会っただけ。」
「なにそれ意味分かんない。矛盾してるよ。信じてないのに出会った??オッパ、その子と会って頭までおかしくされちゃったの??」
そうだね、僕だって意味分かんない。
でも、これが本音だよ。
きっと、皮肉を言って僕を困らせたいんだろうけど。
ごめんね、全然効かないや。
「はは、こりゃ負けだ。」
僕から目線を外せば、勘弁したようにため息をついた。
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作者名:たぁー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TAA00/
作成日時:2023年2月15日 0時