性悪 ページ29
ジョングクside
はあ、もう授業終わっちゃった。
いつもなら嬉しいこの事実も、今日にとっては最悪でしかない。
なぜなら学校から出たあとの予定が最悪だから。
「グクー？？」
どうしよう、忘れたふりしようかな。
なんだかんだ言ってあの人僕に甘いし。
ごめんねヒョン、お腹すいててご飯しか頭に無かったんだよ。
って。
よしこれでいこう。
「グクー！」
「Aうるさい。」
「えっ…」
わざと軽くあしらえば、心外とでも言うように目を見開いた。
ぶふ、変な顔。
「で何？」
「駅前に美味しいケーキ屋さんあるじゃん？」
「あーあのタルトのとこ？」
「そう！！」
食い気味に答えたA。
キラキラした瞳でこちらに尻尾を振る姿はわかりやすすぎて呆れてくる。
…可愛いけど。
「どうせお店行くの付き合えって言うんでしょ。」
「流石ぐっちゃん！！新作がでたの！行こ！」
「初めて聞いたよそのあだ名…」
ヒョンと予定があったけど、行かないつもりだったし。
「いいよ、行こっか。」
「ありがとう！」
「…じゃないよジョングク。」
「「！？！？」」
背後から冷気を感じ、勢い良く振り向くと、ヒョンがいた。
「じ、じじじじっじジミンせんぱ…！！」
ポポポポ、顔を赤くそめ慌てふためくA。
分かりやすいのは短所でもあるらしい。ヒョンは嬉しそうに手を振ってるけど。
好きなAの性格も、自分に向けられてないだけでこんなに嫌になるなんて。
いつもよりリアクションがオーバーだから尚更。
きっと何かあったんだろう。
僕が知らない、2人の時間に。
ああ、ダメだ、嫉妬でおかしくなりそう。
「何ですか、ヒョン。」
せめてもの足搔きで、僕の後ろにAを隠す。
すると、ヒョンは困ったように眉毛を下げて笑った。
嫌だ、嫌だ嫌だ。これじゃあ、僕が悪者みたいじゃん。
Aを守ってきたのは僕なのに。
ずっと隣にいたのは僕なのに。
「ジョングク、僕との予定忘れてる？」
「…今思い出しました。」
「え？！」
「でも、今Aとの約束も出来たので、こっちゆうせ、」
「ダメ！！もうグク、、約束忘れちゃダメなのに…」
「ごめんね、Aちゃん。」
「いえ！おかまいなく。」
A…
「グク、ありがとうね、私の約束優先してくれて。」
「ならっ！！」
「でも先に予定あったんでしょ？しかもヒョンなんだから。新作っていっても期間限定じゃないからいつでもいけるよ。」
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作者名：たぁー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TAA00/
作成日時：2023年2月15日 0時
