純粋ちゃんと年上キラー3 [JM] (ページ21)

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さっき先輩が座ってたって思うと、余計に。

先輩が呼ぼうとしてた。
でも、テオくんと重なっちゃって。

思えば、あのとき先輩はどう思ったんだろう。

私だったら悲しいに決まってる。
あんな顔で私を呼んでくれたのに、自分の知らない人に遮られて。

どんな気持ちでお店を出たんだろう。

「…ふふ、ヌナと帰るの久々だぁ。」

「っていってもそんなに経ってないよ。」

「えー、でも凄く長く感じたよ？」

「……確かに。」

なんだか、先輩と会ってから毎日が濃くて、凄く長く感じる。思えばまだ半年も経ってない。

「……あのね、ヌナ。」

「んー？｣

「ごめんね。」

「え？」

急に立ち止まって、急に謝るテオくん。
凄く申し訳なさそう。

「…あの人が、ヌナのこと呼ぼうとしてるの知ってたよ。」

「…え？！」

「わざと遮っちゃったんだ。ヌナと会えたのに、ヌナは知らない人を見てたから。」

テオくんが先輩を遮ったのはわざとだったの？
そんな…

私、また先輩を傷つけた。
声をかけてくれたのに。

先輩は…

「あの人ね、凄く傷ついた顔してた。僕がヌナにちょっと触れたら、悲しい顔してお店を出ていっちゃったんだよ。」

早く行かなきゃ。
先輩に謝らなきゃ。

「まって、ヌナ！！」

テオくんに腕を掴まれて、行けない。
先輩は、傷ついてるのに。

「僕知ってるよ！！あの人、ヌナキラーでしょ？
遊び人だよ？ヌナ、考えて。ヌナはそんな人と、」

「お願い離して！！！！」

「っっっ！！」

怒った私に驚くテオくん。
…人に怒ったのは久しぶりかなぁ

「ジミン先輩は凄く優しいの。
ほんとはね、凄く繊細なの。確かに遊び人だけど、いい人だから。」

「それでもっ」

「それにね、傷つけられたのはあっちだよ。」

「…え？」

「優しい先輩を、何度も傷つけたのは私なの。
私、バカだから、…何度も同じこと繰り返して…」

「ごめん、テオくん。…お願い…離して…」

そっと、離してくれたテオくん。

「……ごめん、ヌナ。頑張って。」

「うん、ありがとう、テオくん。」

・

とりあえず走ったけど、先輩ってどこにいるんだろう。

…そういえばカトクあったんだった。

A先輩、どこに居ますか?

…既読付いた。
無視されちゃうかな。

ジミン…さっきの子は?

A高校の後輩です。ごめんなさい、先輩。謝りたくて。会いたいです。