1. 〜清らかな体〜 ページ13
「A…」
舐められた耳を押さえる彼女の上にクロが覆い被さる。近すぎる距離に固まる彼女の頰に指を滑らせ、ゆっくりと舐めるように撫でた。
清らかで純潔な肌。まだ一度たりとも男との戯れを知らないその若き体は、自分の硬く冷たい体と違い、柔らかく暖かい。
汚したい。己の手で。その純潔を奪ってしまいたい。
「ク、ロ…あのっ…///」
「………」
だが、そんなことクロにはできなかった。
「悪りぃ…。びっくさせたな…」
ゆっくりと彼女から離れ、背を向けるようにして座る。彼女がクロの様子が変わったことに心配して声をかけようとするが、クロは立ち上がって乾いた服を彼女に渡した。
「ほら、これ着て出発するぞ。一応村に行って、医者に診てもらわねーと…」
「う、ん…」
クロのそっけない物言いに少し戸惑いながらも、服を受け取る。脱ごうとしたシャツからクロの匂いがして、
(ちょっと、残念だなぁ………ふえ!?残念ってなに!?そ、そそそんなのまるでクロと男女の関係を望んでるみたいじゃない…///)
1人顔を真っ赤にして焦る彼女。
クロはそんな彼女に背を向け、グッと拳を握りしめていた。
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作者名:星歌 | 作成日時:2018年5月5日 21時