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第2話 ページ9

呪霊と、それを祓う呪術師には各々の力に応じて、階級がふられている。そしてその階級に応じて、任務が与えられた。

 最も低い――――弱いとされるのは4級で、最も高い――――強いとされるのが特級であった。

 そして、本日真希と任務に行ったAは何級なのか。実は、彼女達は4級であった。つまり、級だけを見たら、「最も弱い」の分類に入る。



 ふぁ、とAは欠伸を漏らした。

 任務の帰りである。あたりはまだ明るいが、現在は4時。「時間がかかってしまったな」と真希は腕時計を見ながらも言った。それにAは悪かったね、弱くって! と返す。

「あ、ねぇ真希」

 思い出したのかのように、Aは制服のスカートのポケットからスマホを取り出す。

「なんだ」

 スススス、と指を動かしてスマホを操作するAに向かって、真希は早く行くぞ、と催促をする。

「ちょっと待って……あ、これこれ!」

 これ飲みに行きたい! Aは真希にスマホの画面を見せる。画面にはスタダの新作がデカデカと表示されている。

「『ベリーベリーチョコレートマッチフラペチーノ』ぉ?」

「ね、良いでしょ?」

「だめだ」

 なんでっ、と自分の制服を引っ張りながら言うAに、真希は冷静に言った。「この前も、あのー……英語がすげぇ書いてあった……赤い……苺の奴、飲んだろ」

「ああ、あれ……。って違う! 全く別物だから」

 あれは苺! これはチョコ! とキャンキャン鳴くAに、だあああ! と吠え返す。

「同じようなもんだろ! ってか、お前あんま飲まなかっただろ!」

「あんな高カロリーなの全部飲めるもんか!」

「だからって私に押し付けんな!」

 すっげぇ甘かったんだからな! ごめんね!? でも大丈夫、これは甘くないから! 大丈夫じゃねえ! 帰るっつってんだろ!


 そんな2人のじゃれあいがピタリとやんだのは、小さな小学校の前に来たときだった。その小学校を、任務先に行くときにも通ったことを覚えている。



 どこにでもある小さな小学校。小さくて、年季が入った、呪いの気配(、、、、、)がある小学校。



「真希……」Aが囁くように言った。手は自分の武器に伸びている。真希もそれに自分の武器を構えながら答える。「ああ」

 どこにでもある、自分達も先程前を通った小学校。しかし、先程と明らかに違う点がある。

 呪いの気配がする、という点だ。

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しゆ - 続編が出ました。更新速度は遅いですが、よろしくお願いいたします。 (2021年3月18日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - 山田憂さん» コメント、そして温かいお言葉……ありがとうございます! これから寒くなる季節、山田憂さんも体調には気を付けてください! (2020年11月3日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
山田憂 - 夢主とキャラクターの細やかな心情が刺さりました…。体調に気をつけてお過ごし下さい。応援してます! (2020年11月2日 13時) (レス) id: 2e6603876c (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - チベットスナギツネさん» 神作!? ありがとうございます! 嬉しいです!! コメントもありがとうございました! (2020年10月30日 21時) (レス) id: 311275af3f (このIDを非表示/違反報告)
チベットスナギツネ - 神作・・・言いたいことは、それだけです。( ´∀`)bグッ! (2020年10月29日 23時) (レス) id: 4fb9137dc8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゆ | 作成日時:2020年10月28日 22時

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