第3話 ページ24
「喜べ男子、紅一点――――じゃねぇのかよ!」
女子いんのか!! と吠えたのは、茶髪の女子――――東京都立呪術専門高等学校新1年生、釘崎野薔薇。
正直、伏黒はうざ、とすら思ってしまう。
俺、と虎杖が自分の事を指で指す。「俺、虎杖悠仁。仙台から」
友好的な虎杖の自己紹介と違って、伏黒はただ己の名前だけを釘崎に告げた。「伏黒恵」
2人の男をじっと見つめて釘崎は考える。
虎杖悠仁。見るからにイモ臭い……。絶対
そして溜息をついた。
「私ってつくづく環境に恵まれないのね」
「人の顔見てため息ついてる……」虎杖は引いた。
「――――で? あんたは」
釘崎は最後にAの方を見た。無論、当たり障りなく適当に自己紹介を始めるAである。
「藤原A。こう見えて2年生で先輩」
よろしく、と言えば釘崎の顔がパッと明るくなる。
「なぁーんだ! 先輩だったんですね! そうならそう言ってくださいよぉ」
女が入って来るなんて聞いてなかったから、ヒロイン枠で入って来たのかと思っちゃいましたよぉ。と釘崎は言う。
「藤原先輩、とA先輩呼びどっちが良いですか?」
「好きな方で良いよ」
「じゃあA先輩で」
ついでにパッと態度も変わった。
「喜べ男子」
「何が」
「紅一点よ!!」
「それがそこまで嬉しいか!?」
「これからどっか行くんですか」
伏黒が五条にそう聞くのを聞いて、Aは2人のそばによる。
「帰るんじゃないんですか?」
Aがそう言えば、まさか! と五条は言ってから、ふっふっふ、と笑い始める。
「せっかく1年生が3人揃ったんだ。しかも、その内の2人はおのぼりさんときてる」
行くでしょ、と五条は声を低めた。
「――――東京観光」
それに対する反応は2つに分かれた。手を合わせ、顔を輝かせて喜ぶ虎杖、釘崎と、「え゛」と顔を引きつらせる伏黒、A。
「
それに虎杖がバッカ、と言った。
「TDLは千葉だろ!! 中華街にしよ、先生!!」
「中華街だって横浜だろ!!」
「横浜は東京だろ!!」
あかん、とAは思った。東京に対する大きな誤解が生まれている。横浜は神奈川である。
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しゆ - 続編が出ました。更新速度は遅いですが、よろしくお願いいたします。 (2021年3月18日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - 山田憂さん» コメント、そして温かいお言葉……ありがとうございます! これから寒くなる季節、山田憂さんも体調には気を付けてください! (2020年11月3日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
山田憂 - 夢主とキャラクターの細やかな心情が刺さりました…。体調に気をつけてお過ごし下さい。応援してます! (2020年11月2日 13時) (レス) id: 2e6603876c (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - チベットスナギツネさん» 神作!? ありがとうございます! 嬉しいです!! コメントもありがとうございました! (2020年10月30日 21時) (レス) id: 311275af3f (このIDを非表示/違反報告)
チベットスナギツネ - 神作・・・言いたいことは、それだけです。( ´∀`)bグッ! (2020年10月29日 23時) (レス) id: 4fb9137dc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゆ | 作成日時:2020年10月28日 22時