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第3話 ページ23

簡単に任務の出来事を聞かせると、五条は「なぁ〜んだ」と言った。

「僕はてっきりサボったのかと思ったよ」

「先生はあたしを何だと思ったんですか」

 え? わざとらしくきょとんとする五条。


「サボリ魔」

「今は違うから!」


 去年はよくサボってた癖にィ、という元担任を無視して、黒髪でツンツン頭の1年生に話しかける。

「伏黒くん達はなんでここに?」

 サボってるわけじゃないよね? と暗に聞けば話しかけられた本人――――伏黒恵は「まさか」という顔をする。

「今日から来る1年生を迎えに来たんすよ」

「へぇ」Aはそう言いながらもう1人の男子を見る。両目の下に特徴的な皺の様なものが刻まれている。



 東京都立呪術高等専門学校、新1年生。途中入学による生徒を除いて2名。

 少ないと思うかもしれないが、そもそも人ならざるモノが見える事が珍しく、呪術師は少数派(マイノリティ)なのである。



「ん?」例によってAは素っ頓狂な声を出す。

「今日来る人が2人目の新1年生なら」

 あんた誰? そう口に出したわけではなかったが、大体のニュアンスでその場にいたA以外の全員は察したようだった。



 ああ! と少しばかり大きい声を出して小さくなるA。ここは原宿で人が多いのだ。

「君が虎杖くんなのかぁ」

「うっす! 虎杖悠仁です! 好きなタイプはジェニファー・ローレンスです!」

 よろしくね、と自己紹介をしながらもAは先ほど五条が言ったことを頭の中で反復していた。

 ――――特級呪物「両面宿儺の指」を飲み込んで、執行猶予付きの死刑となった虎杖くんでェーっす!



 彼のことは、現担任日下部から少しだけ聞いていた。特級呪物を受肉した者が1年生に入って来たと、本当にこれだけ。

 名前、男なのか女なのか、容姿はどんなのなのか……1つも言ってくれなかったので、特に興味もわかなかった。

 まさかこんなコミュ力お化けの様な子が「特級呪物を受肉した者」だとは思いにもよらなかったのである。




「私は?」店の前で茶髪の女子高生が言う。ビッと自分を親指で指して。

 無論、話しかけられた本人――――スカウトをしていた男性は、ワタシハ!? と困惑する。女子高生はモデルよ、と繰り返す。

「私はどうだって聞いてんの」



 虎杖と「あ、先輩なんだ」「あは、タメ笑う」と話していたAは思う。

 随分と、うん……。凄い子だな。

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しゆ - 続編が出ました。更新速度は遅いですが、よろしくお願いいたします。 (2021年3月18日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - 山田憂さん» コメント、そして温かいお言葉……ありがとうございます! これから寒くなる季節、山田憂さんも体調には気を付けてください! (2020年11月3日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
山田憂 - 夢主とキャラクターの細やかな心情が刺さりました…。体調に気をつけてお過ごし下さい。応援してます! (2020年11月2日 13時) (レス) id: 2e6603876c (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - チベットスナギツネさん» 神作!? ありがとうございます! 嬉しいです!! コメントもありがとうございました! (2020年10月30日 21時) (レス) id: 311275af3f (このIDを非表示/違反報告)
チベットスナギツネ - 神作・・・言いたいことは、それだけです。( ´∀`)bグッ! (2020年10月29日 23時) (レス) id: 4fb9137dc8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゆ | 作成日時:2020年10月28日 22時

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