第３話 鉄骨娘集合 ページ20
「あっれれぇ？ なーんで君がここにいんのかなぁ〜？」
東京、原宿にてグイ、とAは腕を引っ張られた。
掴んだ腕の持ち主を見れば、黒服に白髪、そして黒い目隠しをつけているなんとも奇妙な男に辿り着く。
男の後ろには、物珍しそうにこちらを見てくる男子が１名と、特に興味もなさそうにスマートフォンを弄っている男子が１名。２人とも、多少の差こそあれAが良く見知った制服――――呪術高専の制服を着ていた。
スマートフォンの男子生徒は知っていたが、赤いパーカーと制服とを着ているもう1人の男子は見知ってはいなかった。
「先生」
痛いですぅ、つーほーしますよ。
そう言えば、白髪で目隠しをつけているこの男――――都立呪術高専1年担当教授、五条悟はパッと手を離した。「JKこっわぁい」
「――――で？」
なんでこんなとこにいんの。
教師らしからぬ教師――――五条悟は今度は真面目な声でAに問う。
「今日、任務だったでしょ」
またサボったの？ １年退行？ そう言う教師にAはただ、やめてよと苦笑いをしながら手を振った。
「ちゃんとマジメに終わらせてきましたよ」
藤原A、４級呪術師。原宿をブラブラしているが、実は今日、任務が入っていたのである。
同日、朝６時。
Aは、�狒覘瓩裡運佑�運転する車に乗っていた。
窓とは術師ではないが呪いを視認することが出来る高専の関係者の事である。
「つきました」
「ありがとうございます」
Aはお礼を言いながら車から降りた。正直、４級術師の自分なんかの為に運転をしてくれる為、窓の皆さんには頭が上がらない。
着いたのは小さな、そして申し訳ないが寂れた神社。
ここに呪霊が蔓延っているらしい。Aが１人で派遣される、という事はよっぽど弱い相手だと考えられる、だがしかし。
「強いじゃんかぁぁぁぁ！」
バカやろぉぉぉぉぉ！ Aは全力で境内を走っていた。ザザザザッと砂利を蹴散らす。後ろを振り向けば、足音を一切しないでこちらに向かってくる影。Aは顔をひきつらせて、もう一度前を向いた。
地面を強く蹴って、その反動で体を浮かす。腕をこれでもかと伸ばし、高いフェンスを掴んだ。そのまま勢いでフェンスを越える。
フェンスの内側――――本殿の下に潜り込んだ。
呪霊が自分を探して通り過ぎるのを感じ、Aはホッと小さく息をついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 429人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゆ - 続編が出ました。更新速度は遅いですが、よろしくお願いいたします。 (2021年3月18日 16時) (
レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - 山田憂さん» コメント、そして温かいお言葉……ありがとうございます！ これから寒くなる季節、山田憂さんも体調には気を付けてください！ (2020年11月3日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
山田憂 - 夢主とキャラクターの細やかな心情が刺さりました…。体調に気をつけてお過ごし下さい。応援してます！ (2020年11月2日 13時) (レス) id: 2e6603876c (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - チベットスナギツネさん» 神作！？ ありがとうございます！ 嬉しいです！！ コメントもありがとうございました！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: 311275af3f (このIDを非表示/違反報告)
チベットスナギツネ - 神作・・・言いたいことは、それだけです。( ´∀｀)bｸﾞｯ! (2020年10月29日 23時) (レス) id: 4fb9137dc8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゆ | 作成日時：2020年10月28日 22時
