第２話 ページ11
パニックになっている人間というのは、めんどくさいが、操りやすい。
男の子の目を閉じて深呼吸をさせ、落ち着かせてからAは頷きながら、男の子が話すことを聞いた。
パニックになっていたため、途切れ途切れに男の子は話す。「ケンが転んで――――多分、ヨジババが追いかけて来てて――――ヨジババ、なんか、振り回してた」
男の子の姉とその友達、ということで手続きをし、A達は校舎へと入り込む。
男の子には学校の外で待つように、と言ったので入ってくることはないだろう。
それにしても。Aは思わず笑ってしまった。それに真希は当然気が付く。呪いの気配がより強い、校舎の４階に行く間のことである。
「なに笑ってんだ」
「いやぁ、良く知ってたなと思って」
真希がコテンと首をかしげた。
「ヨジババって、学校の怪談――――都市伝説の１つなんだよ。１９７０年代前半に盛んに語られた」
「――――昔じゃねえか」
昔の都市伝説がなんで今更、と言った真希にAは頷いて答える。
「うん。だから親御さんに聞いたんじゃないかな―――――あくまであたしの考えだけど」
�爛茱献丱亅瓩覆鵑凸滅鬚ざ舛�を持った言葉、子供が食らいつかないわけがない。特に小学生は少しませているようなところがあり、自慢をすることが好きだったりする。なので、きっと周りの皆が知らないことが嬉しくて、夢中で話したのだろう。
しかし、そこで「本当なのか？」という話になり、確認をすることになったのだろう。
「でも、おかしい」
「何がだ」
「どんな都市伝説にも、大体は抜け道があるの。例えばこっくりさん。こっくりさんは結構危ないけど、ちゃんとした手順で最初から最後まで終わらせれば良い。ヨジババだって、まあ場所に寄るけど、赤、青、黄、どれがいる？ って聞かれたら、黄って答えるか、四字ババ色と肌色って答えれば助かるってわけ」
それを教えない親っている？ そう聞けば、真希は少し黙ってから答える。「忘れたんじゃないか？」
「因みに、赤とか青とかって答えたらどうなる」少し緊張を孕んだ声で真希は問う。
Aの声も、少しばかり硬くなった。
「――――赤って答えた場合、赤いマフラーで絞殺される。青って答えた場合、血を全部抜かれる。まあ、赤青黄どれがいい、って言われないで異世界に連れていかれるって言うのもあるけど」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 429人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゆ - 続編が出ました。更新速度は遅いですが、よろしくお願いいたします。 (2021年3月18日 16時) (
レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - 山田憂さん» コメント、そして温かいお言葉……ありがとうございます！ これから寒くなる季節、山田憂さんも体調には気を付けてください！ (2020年11月3日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
山田憂 - 夢主とキャラクターの細やかな心情が刺さりました…。体調に気をつけてお過ごし下さい。応援してます！ (2020年11月2日 13時) (レス) id: 2e6603876c (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - チベットスナギツネさん» 神作！？ ありがとうございます！ 嬉しいです！！ コメントもありがとうございました！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: 311275af3f (このIDを非表示/違反報告)
チベットスナギツネ - 神作・・・言いたいことは、それだけです。( ´∀｀)bｸﾞｯ! (2020年10月29日 23時) (レス) id: 4fb9137dc8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゆ | 作成日時：2020年10月28日 22時
