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第4話 ページ48

「何だお前、なんか昔の顔になってんぞ」

 ぶはははは、と笑いながら真希がAの顔を指した。
 うっさいなあ、とAは机に頬杖を突く。
 昨夜の様子を報告する為、村長の家にA、狗巻、真希、パンダは集まっていた。
 分け合って最後に訪れたAの顔を見て真希は笑ったのだ。

「上橋って子いるじゃん? あの子にやられたんだよね」

 やっぱ濃いよね、呟きながらAは上橋に化粧された時の事を思い出していた。



 洗面所を逃げるようにして出た後、いつも通り所謂ナチュラルメイクをしていれば、どっさりメイク通りを持って来た上橋が入って来た。
 当然だ、Aが逃げた先が上橋の部屋だからである。
 もうスッピンを見られているので諦めたのか、ただ少し睨んだだけだった。
 そのはずだったのだが。

「は? 何その薄メイク」

 そんなんでメイクって言えんの? 鼻で笑った後、上橋はAの顔に問答無用でメイクを施し始めたのだ。

「ほらぁ、やっぱちゃんとメイクすればメッチャかわいくなんじゃん」

 はじめてアンタを見た時から思ってたんだぁ。そう言われて手渡された鏡を見てみれば、そこに映るのは、派手な顔、ちゃんとしている顔、ちゃんとされた顔、昔の顔。
 ありがと、と形だけ口にしチラと時計を見る。もう、狗巻達と会議する集合の時間まで時間がなかった。
 会議には上橋達、被呪術者と共に行かなければならなかった。また襲われるかもしれない彼等を守るために。

「上橋さん、後どのくらいで準備終わります?」

 結構、長かったよな。と自分の顔にかかった時間を思い出しながら言えば、案の定上橋からあまりよくない答えが返って来た。

「だからこんな早くから起きてんでしょ」

 これに今度はAが溜息をつく番だった。
 元から化粧をするのは得意だった。一時期狂ったように化粧をしていたからだ。自分でもしなければと思っていたし、当時やっていた職業柄、メイクが得意でいなければならなかった。
 Aはごめんね、と一言誤ってから上橋の顔を片手で鷲掴みにし、もう片方の手で手早く、かつて自分が自分の顔に施していたメイクを施していった。

「ほら、出来ました」

 どうですか? と鏡を渡せば、上橋はキャァ! と黄色い声を上げた。そしてAの方を見る。

「うそ、待って、藤原さんってセブンテイーンの」

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しゆ - 続編が出ました。更新速度は遅いですが、よろしくお願いいたします。 (2021年3月18日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - 山田憂さん» コメント、そして温かいお言葉……ありがとうございます! これから寒くなる季節、山田憂さんも体調には気を付けてください! (2020年11月3日 16時) (レス) id: 0614066502 (このIDを非表示/違反報告)
山田憂 - 夢主とキャラクターの細やかな心情が刺さりました…。体調に気をつけてお過ごし下さい。応援してます! (2020年11月2日 13時) (レス) id: 2e6603876c (このIDを非表示/違反報告)
しゆ - チベットスナギツネさん» 神作!? ありがとうございます! 嬉しいです!! コメントもありがとうございました! (2020年10月30日 21時) (レス) id: 311275af3f (このIDを非表示/違反報告)
チベットスナギツネ - 神作・・・言いたいことは、それだけです。( ´∀`)bグッ! (2020年10月29日 23時) (レス) id: 4fb9137dc8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゆ | 作成日時:2020年10月28日 22時

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