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【 A side 】
宿儺「⋯なんて言うのは冗談だ。ただ、ずっとお前に触れたかった。この俺に手が届きそうで届かないものがあるなんて思わなかったな。俺にお預け喰らわせられる女はお前だけだぞ?A」
壊れ物に触れるかのような大切なものを触る時のような優しい手付きで私の身体をなぞる宿儺に、ふるりと身体が震えた。
呪いの王だと思えない程の優しい顔を私に向けるものだからきゅんと胸が苦しくなる⋯。
『すくな⋯』
宿儺「ん?触れられているだけでは足りぬか?」
優しい顔から意地悪気に口角を上げる宿儺にどきんと心臓が跳ねて呼吸が浅くなる。
自然と宿儺の手に自身の手を重ねてしまった。
宿儺「ふ、お前は俺の理性をなんだと思っているんだ?俺の事を聖人だとでも思っているのか?」
『わかんない⋯、宿儺の前だと何も考えられなくなるの⋯』
宿儺「⋯はァ、全くお前は。そう煽るな」
お互いの息遣いが分かる程近くに顔を近付けられれば、宿儺の息が熱い事に気付く。
⋯興奮、してくれてるのかな。
何時しか重なった唇に、優しく宿儺の頬を撫でるとそれに合わせて目を細めてくれた。
宿儺「好きだなんて言葉じゃ言い表せない程に愛おしい⋯。可笑しくなってしまいそうだ」
『ん⋯、宿儺が可笑しくなる所見てみたいかも』
宿儺「ふ、余裕でいられるのも今のうちだ。息もできないくらいになっても知らんぞ」
私を見つめた宿儺が「途中で止められるほど器用じゃないからな」と笑えばもう一度唇を重ねられ、食む様な口付けをされる。
すると手が私の身体に伸びて、服の上から優しく触れた。
宿儺「⋯柔らかいな」
『っ、恥ずかしくなるからそういうこと言うのやめて⋯』
宿儺「顔を隠すな。見せろ」
急に恥ずかしくなって熱くなった顔を両手で隠せば、すぐに剥がされて。
宿儺「はぁ⋯、愛い。どうしてこんなにも愛おしく思えるのだろうな?」
ふっ と優しく目を細め、ちくりと首元に痕を残す宿儺。
その痕を指でなぞれば「今日はお預け喰らってやろうか」と私を抱き締めてくれる。
気付けば窓から朝日が差し込んでいた。
まだ夜で良かったのに、なんて。
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あいか - こんにちは。宿夢あんまりいいの無かったので、神小説で嬉しいです。上から目線ですみません…汗毎日読みます! (4月26日 16時) (レス) id: 0f83f80d62 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 好き!!やっと念願だった小説に出会えたぁぁあー!続き待ってます! (1月26日 17時) (レス) @page40 id: 944b8cf5cc (このIDを非表示/違反報告)
レナート(プロフ) - さらさん» わぁぁありがとうございます!!これからも試行錯誤しながら頑張っていきます!lレッツ宿儺沼_( _'ω')_ (11月26日 21時) (レス) id: 3e48fe4f1f (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!めっちゃ大好きです!!読みやすくて、めっちゃ格好良すぎ!!恵くん、五条先生推しだけど、好きになりそう〜!!続き楽しみにしてます!!頑張って下さい!! (11月25日 0時) (レス) @page38 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
レナート(プロフ) - ヒカルさん» 遅くなってしまいましたがコメントありがとうございます!ドキドキしていただけて嬉しいです!<font color="#666666">色変えしたい言葉</font>でグレーになります!#666666がグレーです!話題ずらしですが、「*」を題名の前に付けるだけです! (2022年7月3日 20時) (レス) id: 3e48fe4f1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レナート | 作者ホームページ:@renato_uratuku
作成日時:2020年12月28日 14時