第三十五話 領域 ページ42
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えっ、そんな急に!?
別に合図を決めていた訳ではないけど、1人置いてけぼりをくらった感じになってしまった。何故。
伏黒くんの肩がビクッと跳ねる。観念したような深いため息が聞こえた。
「ここまで気付かないとは、マジでテンパってるのね」
「別に何でも話してくれとは言わねぇけどさぁ、せめて頼れよ。友達だろ」
い、虎杖くん、良いこと言った!!!
思わず称賛の拍手を送りそうになる。勿論自制しました。ウン。
伏黒くんが迷うように顔を伏せる。私はその背中に近付くと、また軽く小突いた。
今ここで嘘つくなんて、不粋なことだよ、伏黒くん。
私の気持ちが伝わったのか、伏黒くんは目だけで私を振り返り、ポツリと語った。
「…津美紀は寝たきりだ。この八十八橋の呪いは被呪者の前にだけ現れる。本人が申告できない以上、いつ呪い殺されるか分からない。…だから、今すぐ祓いたい」
やっと吐露された伏黒くんの本音。私、虎杖くん、野薔薇ちゃんはそれぞれ顔を見合わせて、ニッと笑った。
「はじめっからそう言えよ」
『全く、伏黒くんってば素直じゃないんだから〜』
「任務の危険度が上がったのは本当で」
「はいはい、もう分かったわよ」
伏黒くんの抗議をさらりと受け流した野薔薇ちゃんが、腰のポーチ(?)からトンカチを取り出す。
『どーんと任せときなさい!何せ、
パチッとウインクを決めて、私もポシェットから御札を取り出した。
伏黒くんの横を通り過ぎる。そのとき、伏黒くんの唇がほんの少し、持ち上がったのを横目に見ながら。
『虎杖くん、慎重にね』
「わぁってるって」
前にいた虎杖くんが勢いよく、水の流れを跨ぎこす。
私たちもそれに倣って、それぞれ"彼岸"に渡っていった。
…その先の世界は、呪い渦巻く洞窟のような領域。
全員が渡り終わったとき、待ってましたと言わんばかりに、ボコボコと開いた無数の穴から不気味なモグラが顔を出した。
ナァアアア、と気色の悪い声を出す。
虎杖くんがパキリと指を鳴らして、「出たな」とやる気に満ちた表情を浮かべた。
「祓い甲斐がありそうね」
野薔薇ちゃんの不敵な声が、領域内に響く。私も手の中の御札を構えて唇を舐めた、そのとき。
「あ"?何だぁ?先客かぁ?」
…ゾワッと背筋を悪寒が走る。
反射的に振り返ると、私たちのすぐ後ろで、口が2つある…確実に特級相当の呪力を持った"呪霊のようなモノ"がニタニタと笑っていた。
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今日の名言or名場面
五条「強くなってよ。僕に置いていかれないくらい」
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