検索窓
今日:4 hit、昨日:15 hit、合計:39,540 hit

第三十五話 領域 ページ42




えっ、そんな急に!?


別に合図を決めていた訳ではないけど、1人置いてけぼりをくらった感じになってしまった。何故。


伏黒くんの肩がビクッと跳ねる。観念したような深いため息が聞こえた。


「ここまで気付かないとは、マジでテンパってるのね」


「別に何でも話してくれとは言わねぇけどさぁ、せめて頼れよ。友達だろ」


い、虎杖くん、良いこと言った!!!


思わず称賛の拍手を送りそうになる。勿論自制しました。ウン。


伏黒くんが迷うように顔を伏せる。私はその背中に近付くと、また軽く小突いた。


今ここで嘘つくなんて、不粋なことだよ、伏黒くん。


私の気持ちが伝わったのか、伏黒くんは目だけで私を振り返り、ポツリと語った。


「…津美紀は寝たきりだ。この八十八橋の呪いは被呪者の前にだけ現れる。本人が申告できない以上、いつ呪い殺されるか分からない。…だから、今すぐ祓いたい」


やっと吐露された伏黒くんの本音。私、虎杖くん、野薔薇ちゃんはそれぞれ顔を見合わせて、ニッと笑った。


「はじめっからそう言えよ」


『全く、伏黒くんってば素直じゃないんだから〜』


「任務の危険度が上がったのは本当で」


「はいはい、もう分かったわよ」


伏黒くんの抗議をさらりと受け流した野薔薇ちゃんが、腰のポーチ(?)からトンカチを取り出す。


『どーんと任せときなさい!何せ、一級術師(わたし)が居るんだからさ!』


パチッとウインクを決めて、私もポシェットから御札を取り出した。


伏黒くんの横を通り過ぎる。そのとき、伏黒くんの唇がほんの少し、持ち上がったのを横目に見ながら。


『虎杖くん、慎重にね』


「わぁってるって」


前にいた虎杖くんが勢いよく、水の流れを跨ぎこす。


私たちもそれに倣って、それぞれ"彼岸"に渡っていった。


…その先の世界は、呪い渦巻く洞窟のような領域。


全員が渡り終わったとき、待ってましたと言わんばかりに、ボコボコと開いた無数の穴から不気味なモグラが顔を出した。


ナァアアア、と気色の悪い声を出す。


虎杖くんがパキリと指を鳴らして、「出たな」とやる気に満ちた表情を浮かべた。


「祓い甲斐がありそうね」


野薔薇ちゃんの不敵な声が、領域内に響く。私も手の中の御札を構えて唇を舐めた、そのとき。


「あ"?何だぁ?先客かぁ?」


…ゾワッと背筋を悪寒が走る。


反射的に振り返ると、私たちのすぐ後ろで、口が2つある…確実に特級相当の呪力を持った"呪霊のようなモノ"がニタニタと笑っていた。


閑話休題 護衛→←第三十四話 尾行


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーアルファベット

X

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!

今日の名言or名場面

五条「強くなってよ。僕に置いていかれないくらい」


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
112人がお気に入り
設定タグ:狗巻棘 , 呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ルルリィ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年2月2日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。