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閑話休題 記憶 ページ17

伏黒恵side



「あの…その子、このまま1人にしてて良いんですか」


苛立ちを腹の底に押し込めて、俺は五条先生を見上げた。五条先生は「余裕でダメだけど」と真顔で返してきた。余裕でダメって何だ。


「高専広いからね〜。A方向音痴だから直ぐ迷子になっちゃうし。Aが行方不明なんかになったらアヤメに怒鳴られそうだし」


また知らない人の名前が出てきたが、スルーすることにした。だって面倒臭い。


少女はキョトンとした顔で五条先生を見上げていたが、不意にその丸い瞳を俺に向けた。しかもキラキラという効果音付きで。


『知らない子!悟くんのカクシゴ!?』


「バカなんですか」


「純粋って言いなさい」


隠し子の意味を分かって使っているんだろうか。多分、分かってなさそうだ。


五条先生は「違うよ〜」と少女の目の前で手をヒラヒラさせた。


「こちら、伏黒恵くん。高専に入学したらAの同級生になる予定」


『そうなの!?じゃあお友達だ!』


早くないか。俺は名乗られてすらいないぞ。


少女は丸い瞳を大きくさせて、俺の顔を覗き込んだ。かなりの至近距離で。まさに好奇心の塊としか言えない。


『私は銀野A!小学4年生!』


「…俺も、小4」


『じゃあお友達だ!!』


「……」


「恵、その物言いたげな視線を僕に向けるのやめてくんない?」


少女…銀野Aは唐突に俺の手を掴むと、ニッコリと満面の笑みを浮かべた。


『よろしくね!』


ほぼ一方的に求められた握手は、俺の意思と関係無く既に交わされてしまっていた。





あの日、銀野に抱いた「元気と好奇心で構成されたやたら無敵感の強い同級生」 という印象は、色々付け足されてはいるものの、6年経った今でも変わることはない。


あの日と同じ満面の笑みで拳を突き返す銀野を見ながら、懐かしい日を思い出した。


第十四話 お土産→←閑話休題 少女


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今日の名言or名場面

五条「強くなってよ。僕に置いていかれないくらい」


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設定タグ:狗巻棘 , 呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ルルリィ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年2月2日 23時

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