第四話 事実 ページ6
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「はいはい、そんな騒がないの。僕の可愛いイモウトが困っちゃってるでしょぉが」
パンパンとお義兄ちゃんが手を叩く。野薔薇ちゃんは半ギレ状態で「説明!!」とお義兄ちゃんに詰めよった。
ひぇっ、せっかく可愛いのに成人男性の胸ぐらなんか掴んだりしたら怖い感じになっちゃうよ、野薔薇ちゃん…!
「説明も何も、そのまんまだよ。Aは僕の“義理の”妹。仲良くしてやってよ〜?」
「…義理?」
野薔薇ちゃんの片眉が上がる。胸ぐらを掴んでいた手を退けると、虎杖くんと顔を見合わせた。
『そうそう。私のお姉ちゃんの旦那さんだから、義理のお兄ちゃんなの』
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またもや、空気が凍り付いた。いや今度は何??? 今回は何も驚くこと言ってなくない?
「五条先生、奥さん居んの!?」
虎杖くんの一言で、また周りがざわつきだす。
私からしたら、『お義兄ちゃん、既婚者だって言ってなかったの!?』って感じだ。
当のお義兄ちゃんは心外そう。野薔薇ちゃんがまたお義兄ちゃんの胸ぐらを掴みあげた。
「説明!!!」
「えー、奥さんくらい居ても良いでしょ?ほら僕、こう見えても28歳だよ?」
「でも先生、指輪は?着けてなくね?」
「そりゃ大切な指輪ですから!傷なんかついたら大変だから、部屋に置いてきてるよ」
お義兄ちゃん、こう見えて実は愛妻家。婚約指輪も結婚指輪も、寝室の棚に呪具のお札で結界まで作って大切に保管しているのを私はよく知ってます。
野薔薇ちゃんも虎杖くんも初めて聞いたのか、一気にお義兄ちゃんに質問責めし始める。
私はその輪を眺めながら、小さく息を吐き出した。
『…お姉ちゃん、お義兄ちゃんは相変わらず、大切なことを言わないタイプの超マイペース教師だよ…』
「…しゃけ」
いつの間に隣に居たのか、狗巻先輩も大きく頷く。更にその隣にいた真希先輩が、「最強だからな、あいつは」と呟いた。
「そう簡単に変わんねーよ…それはアヤメ先生も分かってんだろ」
『そうですね』
五条アヤメ。
私の、たった一人のお姉ちゃんの名前。
…五条悟が愛した、たった一人の女性の名前。
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今日の名言or名場面
五条「強くなってよ。僕に置いていかれないくらい」
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