5 辛いに1足したい ページ5
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朝起きて一発目にあった人物がこいつかよ。
「おい、雑魚。お前俺と任務だろ?足引っ張んなよ」
そういえばそうだったな。自分から夜蛾先生に頼んだのを後悔する。
「そうだねぇ悟くん!楽しみッ♡」
「ハッ」
嘲笑しやがった、この白髪野郎。
「分かってたけどね、知ってたけどね…」
白髪に聞こえないような声が脳に響いた。だってここ来て、目に映った瞬間に血飛沫が飛んだもん。
「なんでお前が要るのか分からないわー。これなら弱くても術式持って努力してる美優の方が必要だわ」
それくらい知ってる。私も分からんわ、夜蛾センが許可した理由。
「えー。でもぉ可愛い私がついてるからぁ…」
「鏡見ろよ」
会話言い切る前に突っ込まれ普通に置いていかれそうになる。
「クッソ、美優に振り向かれてない癖に…」
「あ’’ぁ?なんか言ったか?」
「うぅん。何も言ってないよ♡ただ悟くんがかっこいいなぁって♡」
うん、無視はやめよう。あほぅ悟。
でも、美優。美優。美優。私は無視。慣れたものだな。
「Aさん。禪院家様方からお電話が来たそうです」
新しく補助監になったばっかりのやつに呼ばれたせい(正しくは呼んだ禪院のせい)で別の車に乗り込むことになった。
禪院家が私のことを呼び出すのは珍しい。褒め称えてくれるのかなぁ。なんて。
「貴方は何で恥を晒すの。貴方は生みの親を何だと思っているの」
また始まる。うるさぁーい説教タイム。うっぜぇ。
「お前と同じ歳で、同じ生まれでどうして変わるの。反転術師や呪霊操術師がいる中、どうしてなの」
世間で母と呼ばれる此奴は、声を荒げない。けれど、貴方からお前に変わってる辺り、本気。
「はいはい。分かったよ。もう行くよ」
すでに私に期待していない。生まれ落ちた時から。端から。
「だから、そんなんだから…」
そんな声は無視して家に帰る。実家に家主の車があったから今日も帰ってこないし。まぁいいけど。
「補助さん、車おねがいします」
あんな奴に言われても、落ち込むものは落ち込むのか、ぶりっ子忘れたため補助監が少しビビっている。
怒ってないよー。
ラッキーカラー
あずきいろ
訳ありっ子の戯言
「疲れてる顔してるよ?大丈夫?」
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作者名:ゆーら | 作成日時:2021年8月10日 11時