〜jaejoong〜約束　９

泣かないのは無理 ページ45

ワイキキのビーチから、日の光が消えた


薄暗い砂浜に、波の音だけが響いている


「携帯、拾わないと」


そう言ってしゃがんで彼の携帯を手に取ると

当たり前のようにもう電話は切れていた


「ユノ、心配してるんじゃない？」


立ちあがって彼に渡した

暗くて表情がよく見えない


「大丈夫。分かってくれてるから」


そう言うと、手を繋いで、ホテルの方へ歩き出した


「Aありがとう」


突然、彼が言った


「え？なにが？」

「・・・・この旅行でさ、結構俺見つかっちゃったじゃん」

「・・・ファンの子に？」

「うん、そう。そのたびに、Aのこと放ったらかしになっちゃったし、

俺といる事でAも注目浴びてたのに嫌な顔しないで普通にしてくれて。

それに、俺が気を使わないようにファンの子と仲良くしてくれてありがとう」


・・・・分かってたんだ


「A、ハワイ島ってさ、別名なんて言うか知ってる？」

「ハワイ島？・・・分かんない」

「ビックアイランドって言うんだって。」

「ビックアイランド？」

「うん、そこは、このオアフ島よりもずっと観光客も少なくて、恋人と行くのに最高だって」

「誰に聞いたの？」

「ネットで調べた。あはっ」

「いっぱい調べてくれてたんだね」

「ん？そんな事もないよ。でも、次はハワイ島に行こう。

誰にも邪魔されないで、もっと２人の時間いっぱい作ろう」


次って、いつになるのかな

でも、絶対に叶えたい

次に来るときこそは、泣いたりせずに笑って過ごそう


彼の顔を見ると、少し切ない、寂しい瞳をしていた


その顔を見ると、やっぱりずっと笑っているなんて無理だと思った

きっと次もこうやって

帰る時間が近づいたら泣いてしまうだろう

彼を好きな分だけ、寂しくなるだろう


そう、確信した

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