〜jaejoong〜約束　５３

【不安】から【後悔】へ ページ37

PM6:30


７月だけど、まだ梅雨だからか
空はもう暗かった

雨が降るな


肌にまとわりつく湿気を感じながら

傘を持っていなかったけど、遠回りして歩いていた


ルルちゃんは力が強いから、両手でしっかりリードを持つ

左手にぶら下がった小さなルルちゃんの散歩バッグ
右ポッケには携帯

それだけが所持品


ジェジュンもこうやって両手でリードを持ってたな


また思い出してしまった


「ありがとう。元気でね」

最後に聞いた言葉


最後に見た顔は、タクシーを見送る時だったけど
別れたあと夢に出てきた泣き顔
あれが妙にリアルで

最後に見た顔はあの泣き顔なんだと思っていた


あんな顔をさせといて
ごめんなさいで戻れるのか


臆病者の私が顔を出す


声を聞いたら泣きそうだし
だけど少しでいいから聞きたい


いつの間にか私の中の【不安】は【後悔】に変わっていた


もっとジェジュンを見てればよかった
ジェジュンだけを見ておけば、こんな間違い犯さなかった

Aはなにもしなくていいから
Aはなにも心配しないで

ただ、俺の隣で笑ってて


それがどんなにすごい愛情なのか


２年以上も一緒にいたのに
私はなにも返せてない


ジェジュンが嫌だったんじゃない
自分が嫌だった

それすらも伝えてない

ジェジュンは自分のことが嫌になったって思ってる？

ただのファンに戻りたいなんて言った

ジェジュン自身を否定するみたいな言葉だ


雨がポツリと降ってきて
頬に当たったそれが、あの日を思い出させた


ついこの間

大久保さんのBARから濡れて帰った夜


幸せだった夜

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