〜jaejoong〜約束　５３

唯一 ページ26

こんな私だけど

何もなくても十分幸せで

そんな私を好きだと言ってくれていたのに


なにかを持たないと意味がない気がして
なにもかもを手にしないといけない気になって

自分の持つ一番大切な人を失った


なにもない私だけど
ジェジュンがいた

そう【ジェジュン】

なにもない私が、ユジンちゃんとの勝負で
絶対に譲れないと、必死に守った人

そんな大切な人を

どうして手放したりしたんだろう


優しさに甘えすぎて
幸せに慣れ過ぎて
周りばかり気になって


私の持つ唯一の大切な人を失った


ジェジュンを失ったら
本当になにもない自分になるのに


リビングには相変わらず
もう次の番組に変わったテレビの音だけが聞こえていて


その音をプチンと消したのはお父さん

ソファーに座る私の隣に、ゆっくりと腰を降ろして


父「我が家のお姫様をこんなに泣かせるなんて
ジェジュン君はすごいな」

ジェジュンのことを、変な褒め方をした


A「・・・なにそれ」

父「だってお父さん、Aちゃんがこんなに泣いてるところ初めて見たから」

A「・・・・」

父「お父さんが死んでもそんなに泣かないんじゃないかな」

A「縁起でもないこと言わないで」

父「ははは、だけどいつかはその日が来るんだし」

A「へ？」

父「お父さんとお母さんは絶対にAちゃんより先に死ぬんだから」

A「・・・だから縁起でもないってば」

父「だけどその時にAちゃんが一人じゃなければ安心だ」

A「・・・は？」

父「一人じゃなくて、誰かが隣にいてくれたら、安心してあの世にいける。
それがジェジュン君だったら言う事ないな。いや、ジェジュン君だと思ってるけど」

A「・・・・・」


ようやく止まっていた涙が

また溢れて流れた

運命→←感情

ラッキーアイテム

革ベルト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す