〜jaejoong〜約束　１３

その人 ページ9

翌日

PM9:15


駅から大久保さんのBARまでの道を、少し早足で歩いていた


あぁ・・こんな事引き受けちゃって本当に良かったのかな


後悔とも違うけど、それに似た感情を少し抱きながら細い路地に入ると
そこにユチョンが立っていた


YC「ヌナ、お疲れさん」

A「ごめん、遅れちゃった」


９時に待ち合わせと聞いていたのにもう２０分も過ぎてしまっていた


YC「多分もう中で待ってると思う」


そう言った彼の後について階段を降りてBARの扉の向こうへと足を踏み入れた


すぐに分かった


店内の一番奥の４人掛けのテーブル席に、こっちを向いて座っている凛としたその女性

肩まであるサラサラの黒髪がとてもよく似合ってる

少し、緊張してるような顔をしていた


ユチョンが中に入ると、向こうもすぐに気付いて立ち上がった


「ユチョ・・・」


声を掛けようとして、その後ろにいる私に気付くと顔がこわばった


YC「遅れてごめん、とりあえず座って」


ユチョンにそう言われて、不安そうな顔で座ると、ユチョンをじっと見ている


YC「ヌナも、座って」

自分の隣の椅子を引くと、そう言った


「あの・・・」


その女性が私に何か言おうとするのを、ユチョンが止めた


YC「ごめん、彗さん。この人、俺の彼女」


『すい』さんと呼ばれるその人が、ユチョンの言った一言に
理解出来ないと言った顔をして彼を見つめた


YC「ずっと二股してたんだ。この人Aって言うんだけどもう１年以上前から付き合ってる」

彗「え？・・・でも・・・」

まだ、理解出来ないといった顔で、今度は私を見た


A「はじめまして・・Aです・・・」

そう言うのが精一杯だった


彗「あ、はじめまして・・・あの、一年も前からって・・・」

私に言ってるのに、ユチョンがそれに答える


YC「ほんとだよ。だから、彗さんとは遊びっていうか、浮気？Aにバレちゃって、今日連れてきた」

彗「・・・・そうなの？」

YC「でも彗さんも結婚してたんだから、おあいこじゃない？これでお互いわだかまりなく別れられるよ」

彗「・・・別れ話がしたくて今日呼んだの？」

YC「・・・そうだよ」


沈黙が流れた


斜め前に座る彼女は、俯いて何か考え込んでいるようだし
隣にいるユチョンのことは、胸が痛くて見れなかった

別れ→←笑顔が一番

ラッキーアイテム

革ベルト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す