もう、忘れよう。

168歩目 ページ39

貴｢……入院された時に散歩に行ったの。｣


釘｢ちょっと待って？入院？さっきから入院とか病院とか…。Aって病気だったの？｣


心配そうに聞いてくる野薔薇ちゃん。


……そんな顔しないでよ。


心配いらないからね。


貴｢ううん…。愛ちゃんを車から庇った時に私が代わりに轢かれたの。｣

愛ちゃんは膝を擦りむいたんだけど…。


釘｢はぁっ！？あの女をぉ？……私だったら逆に突き飛ばすわ。｣


むしろ私が突き飛ばしたいわ、と付け加える彼女。


いろいろ物騒すぎる……。


虎｢偉いな、A……。｣


貴｢でも、今は全然後遺症も残ってないし傷も残ってないし…。｣

伏｢……当たり前だ。｣


貴｢……入院してる時に、愛ちゃんが『私が代わりに事故にひかれれば良かった』って言ってたの。


そしたらその周りにいたナゴヤのチームが私のことを許せないって言ったの。


私、……もう信じられなくて。


私が代わりに轢かれたのに、どうしてそんな事を言われないといけないのって。


ナゴヤの皆は、イジメが1番嫌いなんだけど…。


あなた達がやってる事はイジメじゃないの？

意味の分からないまま、許せないとかそんな事を…

意味の分からない敵意を向けられて平気でいられるほど私…、強くないのよって。


病室に行ってもなかなか許せないとか、酷い事を言われたことが頭から離れなくてね。｣


虎｢……許せねぇ。｣


釘｢意味分かんないわよ!!何それ!!｣


伏｢……よく耐えたな。｣

169歩目→←167歩目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す