別れちゃったけど……【三ツ谷隆】

不穏な…… ページ7

見間違いかと思ったけどあのストレートの茶髪に桜色の瞳……









間違えない、彼女だ。








彼女も買い物だろうか……。いやそれにしては周りをキョロキョロしすぎている。







何をしようとしてるんだろう……まさか万引きとか？いくら彼女でもやっていい事と悪いことの分別はつきそうなものだけど……。







さっきのタカちゃんの電話で言われた言葉を思い出した。








『美夢に気をつけろよ。』か…………。











窓越しに私から見られてるとは夢にも思ってないだろう。本当に何をしてるのか。










ずっと窓を見てる私を不審がったのか2人が不思議そうに目線の先を辿る。もちろんそこには美夢ちゃんがいて。







エ「もしかして……あの女？美夢って。」







私が頷くとゴミを見るような目でエマが美夢ちゃんを見る。






橘「へぇ……、なんか性格悪そう……。男の子騙して生きてますって感じ。」







ひ、ヒナ？









こんなこと言う子だっけ？エマもその目で見るのはやめてあげて欲しい。








貴「あんなところで何してるんだろう。………あ、」








私が思わず声を出す。彼女がどこかに向かって走り出した。







まるで人混みの中に会う人を見つけたかのように。見つめていると背の高い私の知らない男の人もだるそうに手を挙げている。










その待ち合わせの人が手に何か書いてるのはわかったけど何を書いてるのかは分からなかった。









……変な人と待ち合わせしてるんだなぁ。

夏祭り前日→←浴衣屋から……、

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す